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砕け散った初恋の後に、最後の恋をあなたと  作者: 燈華


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出迎えに対する挨拶

今年もよろしくお願い致します。


リーリエ視点です。

「到着致しました。開けてもよろしいでしょうか?」

「ああ。開けておくれ」


父の許可の言葉で外から扉が開かれた。


まずは父が降りて母に手を差し出した。

母が父の手を借りて降りていく。

差し出された御者の手を借りてわたしも馬車を降りた。


「ようこそおいでくださった」


トワイト侯爵夫妻とサージェス様、それにグレイス様も揃ってお出迎えしてくださった。

何故グレイス様も?


友人だからだろうか?

それとも重要な話し合いになるだろうから?


どういう理由かはわからないけれど、グレイス様がいてくださるなら心強い。

それとも出迎えだけで同席はなさらないのだろうか?


わたしの視線に気づいたグレイス様がそっと微笑んでくださる。

わたしもそっと微笑み返した。


「揃ってのお出迎え、ありがとうございます」


父に合わせて頭を下げた。


「顔を上げて。そんなにかしこまらなくていい」


侯爵の言葉を受けてゆっくりと顔を上げる。

トワイト一家は揃って友好的な微笑みを浮かべている。


主人一家が友好的だからか、後ろに控えている使用人たちからの敵意も感じない。

それに密かにほっとする。


グレイス様に招かれて何度かトワイト家は訪れている。

その時にも軽んじられていると感じたことはなかったが、お見合いとなるとまた違うかもしれないと密かに緊張していた。

さすがにそんな不調法な使用人はいなかったようだ。

さすが侯爵家。使用人の教育も徹底している。


「手土産に我が領のお茶を持って参りました。よろしければご賞味ください」

「それは有り難い」


侯爵の顔が(ほころ)んだ。

何故かグレイス様の目が輝いた、ように見えた。

いえ、見間違いよね。

さすがにグレイス様がうちのお茶を待ち望むはずがない。


そもそもうちの領でお茶が作られているとは知られていないと思う。

少なくともわたしは話していない。


ああ、でもと思い直す。

先日のお見合いでお出ししたのだから家族の誰かから話を聞いているのかもしれない。

それで興味を持った可能性は十分に考えられた。

……期待外れと思われませんように。


今日持ってきたものも上等な部類に入るが、期待値が高すぎればこんなものかとがっかりさせてしまうかもしれない。

そうなるのは嫌だな、と思う。

せっかくならグレイス様にも美味しく飲んでもらいたい。

それで気に入ってもらえたら、嬉しい。


「楽しみに飲ませていただく。さあ中へどうぞ」

「お邪魔致します」


その言葉を合図に全員で移動を始めた。

手土産は我が家の執事からトワイト家の使用人に渡されることだろう。

読んでいただき、ありがとうございました。

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