序章
カチコチ…ボーンボール
「ん…時間だ…けほっ」
私の名前は歌乃 奏
「あっのど飴無かったんだ…仕方ない処方された奴にする」
性別は女性
「えっ今日乾燥凄い…加湿マスク付けよう」
年齢は20才の醤油顔
「行ってきます」
家族は居ない
「ん〜早く着いちゃった…」
職業は歌手
「あっ!奏ちゃーん!!!!!」「愛ちゃん、お待たせ…けほっ」
愛ちゃん…愛乃 癒羽は私が所属してる事務所の同期で愛される為に生まれてきた容姿を持っている
「待たせたのは私だよ!奏ちゃん体調大丈夫?」「ん…平気だよ、それじゃ買い物行こっか」「うん!辛かったら言ってね?」
その名の通り彼女は物凄く優しい…こんな私まで笑顔で接してくれる良い子…私とは違う
「最近ねマイクの調子が悪くて…」「ん〜やっぱりマネージャーさんに言って変えてもらおう?経費で落ちると思うから」「マネージャーさんに?…あの人私の事変な目で見るから嫌なんだ…」「そう…なの?」「うん、それに奏ちゃんの事ニヤニヤしながら見てる時もあるんだよ!」「?見られてるの?」「そうだよぉぉ〜奏ちゃん気づかなかったの!」「うん」
愛ちゃんのマネージャーさん…そんなに変態さんだったっけ?
「待って…もしかして私のマネージャーさん変わったの知らない?」「えっ?変わったの?」「やっぱり…今のマネージャーさんは前のマネージャーさんの3番目の弟さんで社長さんのお気に入り」「前のマネージャーさんは?」「分かんない…あっ奏ちゃん!そう言えばマネージャーさんが専属で来るって話してたよね?」「うん」
マネージャーさんか…今度は何時まで傍に居るかな…
「顔合わせは?」「今日の4時」「4時…ならあと30分は奏ちゃん独り占め出来るね!」「愛ちゃん?」
独り占め…って何?
「んしょこれでお買い物終わり!奏ちゃん!今日はありがとう!」「どういたしまして」
さて…顔合わせの前にテレビとか顔出しNGとかの説明を考えないと…
(純白の〜ベールを着けて〜貴方の傍に駆け寄るわ〜)
「やだぁもう!新曲のMV今日なの!」「今回ウェディング?」「そうなの、憧れのドレス着れて嬉しいけど自分のを見ると恥ずかしい!」「…綺麗だよ?」「えっ!」「愛ちゃんのドレス姿…キラキラしてて可愛い」「えっえっ…奏ちゃん?」「愛ちゃん撮影お疲れ様…綺麗な服を着た愛ちゃんを見せてくれてありがとう」「ひっひえぇぇ〜奏ちゃん〜好き〜」
本当にお似合いだね…私には…相応しくないドレス…愛を誓う正装…愛って…何だろう
「きゃあー!!!!!」「逃げろ!」「うわぁぁぁ!!!!!」
何だか騒がしい?
「しねぇえ!!!!!」「きゃあ〜!!!!!」「っ愛ちゃん!」
ドン!ザグッグサ
「かはっ」「え…奏ちゃ…奏ちゃん!奏ちゃーん!!!!!」
痛いっ…息が上手く吸えない…
「奏ちゃん!奏ちゃん!誰か!救急車呼んで下さい!」
愛ちゃん…は…良かった…怪我は無い…
「奏ちゃん!」「愛ちゃん!奏ちゃん!」「勇希マネージャー!奏ちゃんが私を庇って!」「今救急車呼ん出るから!」
あれ…前のマネージャーさん…だ
「奏ちゃん!死んじゃやだ!」
相変わらず泣き虫な所変わらない…優しい所も
「あ…い…ちゃ…」「喋っちゃダメ!血がいっぱい出ちゃう!」
こんなに血だらけになっても綺麗だな…
「なか…ない…で…しな…ないから…」「奏ちゃグズっ…嘘つき」
知ってる…私はもうじき死ぬ…感覚がもう無い…声もあんまり出せない…
「奏ちゃ…奏、私奏の事好き…愛してるの…だから死なないで」
愛してる?…分からない…何で私?愛してるって何?
「ぁ…ちゃ…」「奏?」
そうだ机の引き出しに入ってるノートシュレッダーして貰わないと…
「ぃ…ぇ…っ…ひき…だ…ノート…シュ…して」「奏…聞こえないよ奏…嫌…奏!」
意識が…薄れてく…愛ちゃん…元気でね…バイバイ
「奏…嫌…イヤッイヤイヤ!!!イヤアアァァァァアアアァァァァアアア!!!!」
「命短し恋せよ乙女…愛も知らぬなら恋など分からぬ…」「悲しき乙女…最も清らかで穢れぬ魂…」「我らが見守る世界で感じてくれ」「愛情」「友愛」「恋情」「家族愛」「乙女よ君は孤独では無い」「本当の貴女は愛される子」「今世も来世も変わらぬ愛し子」
誰かが呼んでる
「おいで我が愛おしい子」
わたしを呼んでる…
「こっちへおいで」
ごめんなさい…私眠いんだ…
「おやすみ我が子」
おやすみなさい…お父様…お母様