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6.寝なくてもよい世界

部長G「ったくっ!だらしねーなー!もう寝なくてもいい世界になればなーー!!!」

神「その願いかなえてやろか~~♪もう寝なくても目がバッシバシのギンギンのピコンピコーンよ!ちょちょいのちょいっと・・・ほなよろしく~~」


どこからか聞こえてきた声にリーマンズが驚く間もなくまぶしい光に目をつぶる・・・

部長Gも、部下Hも、地面に寝そべりぐったりしている部下Iも、何かが変わった気がしたりしなかったり・・・そんな気がした。


その日は飲みすぎたかもという思いにいたった部長Gと部下Hは岐路についた。

部下Iは自らが呼んだ救急車に乗って病院へ・・・


コンプライアァァーーンス!!!!


その日、すべての人々は眠らなかった・・・眠れなかった・・・いつまでたっても目はバッシバシのギンギンのピコンピコーンであった。


政府関係者は思った・・・またか・・・と。


一日が5時間増えたのが110年前。


さらに5時間増えた10年前。


はやくねっ???


そんな感じでまた政府は対策に動かざる得なくなった。


ってか何したらいいの?


さっぱりわからんと思わざるえない。


寝ないことに対する対策など教科書にもインターネッツにも載っていないのだから。




あれから10年。世界は変わった。


どんなに疲れていても、横になろうが布団に潜り込み目をつぶろうが就寝どころか昼寝もできなかった。

まったく眠くならない。

寝なくても特に体調に変化はなかった。


最初こそ眠れないと病院に駆け込む人たちがいた・・・何かの病気ではないか?

そのうち皆が同じだと気づき安心する・・・そして喜びに代わる。


ああ!もう寝なくてもいいんだ!

時間をすべて有効に使えるんだ!!!




こうして人々は35時間世界で長くなった基本12時間労働のあとの余暇をすべて使うことができる喜びに歓喜した!


旦那の稼ぎだけでは暮らしていけず、6時間のパートを終えてそのままの足でエステにダンスに不倫サークルに精を出しす主婦J・・・

バイトで稼いだ金をすべてネトゲに使っていたオタ男Kも灰プレーに拍車がかかり休みの日は70時間耐久狩りをしてカンストキャラを量産・・・

家には帰らず長時間残業からの飲み屋経由で出社を週末まで繰り返すリーマンたち・・・


そして気づくのだ・・・


主婦J「やだっ!うちの雑費高すぎ!!」


オタ男K「くそっ!ほかのやつらも灰狩りに拍車かかってるからランキングが全然変わらない!!!」


リーマンズ「やべっ!今月の飲み代エグすぎぃ!!!」


???「うわぁぇ!毛穴がっ!!!べとつきっ!毛穴ふさがれてぇぉぃぁぁぁぁ―!!!!!!!!」


寝ずに遊びまくった人々は後悔するのだ。




こうして紆余曲折あったこの世界も10年もたてば落ち着くのだ。


まずは布団やベットが不要となり寝具関連メーカーはつぶれた。


ビジネスホテル、カプセルホテルなど、宿泊関連はほぼ荷物預かりの時間貸のロッカールームのような形態にかわった。


jk添い寝やは残った。


睡眠薬や眠気覚ましなど、睡眠関係のドリンクなども必要がなくなってしまった。


気絶すらしない世界、


手術は全身麻酔するものの、意識はあるのですべてが見える。怖いから瞼は閉じる・・・が人は興味本位に勝てずたまに目を開ける・・・そして見たことを後悔する。




そして夜もすべての人が活動するため、夜中に出歩く人もさらに増えた。

街頭や照明器具関連の企業は軒並み高成長を遂げた。


先読みして関連株を買っておいてつくづくよかった。ボロ儲けである(ホクホク


眠りのない世界でもやはり人はみな、それなりの忙しく生きる。

それだけは変わらない世界。




そんなある日の朝、ある家族の朝食中・・・


小学生L「ママー、たまには高いハンバーグ食べたいーーー!」

母親M「小学生Lくんがハンバーグ好きだからいつも出してあげてるでしょっ!わがまま言わないの!!!」


ハンバーグ好きの小学生Lはチンするだけの100円レトルトハンバーグがお気に召さない様子。


小学生L「隣の小学生Nくんがさっ!こないだチーズ入りのデミグラチーハンってやつ食べたって言っててさっ!めちゃうまいって話するんだよーーー!!ねーーー!たまにはいいでしょーー!!!!」

母親M「あのねぇ、小学生Nくんの家は大手企業の部長さんなの!うちはしょぼい小規模企業の係長っ!ただでさえ食費がかかるのにこうして好きなハンバーグを買ってきてるんだから文句言わないのっ!!(怒ドドド」


鬼の形相である・・・


小学生L「なんでうちはそんなにお金がないの・・・う・・・うぅ・・・うわぁぁぁーーん(泣」


号泣である・・・

泣き続ける子供をただただ困った顔で見つめる母親M・・・やがてパートの出勤時間がギリでヤバな感じになったことに気づきゆっくりと話し始める・・・


母親M「ちょっと前にみんな眠らなくなったでしょ・・・」

小学生L「うん・・・」


涙をこらえうつむく小学生L・・・


母親M「夜も活動するからおなかが減っちゃうよね・・・だから一日5食になっちゃうでしょ・・・」


だまって聞き続ける小学生L・・・


母親M「その分お父さんは多少がんばって残業してくれてるけどね、根本的にに・・・小学生Nくんの家とはね・・・」


ひざを折り目線を下げ小学生Lの目をまっすぐに見つめる母親M・・・


母親M「残業代が違うのよ・・・」


小学生L「えっ・・・」


母親M「同じ1時間残業してもあっちは3000円、こっちは1200円・・・だからチーズは入っていないの・・・」


小学生L「・・・・・・」

母親M「・・・・・・・・・・・・」


母親M「隣は新築一戸建て・・・うちは借家・・・」

小学生L「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




長い沈黙は小一時間つづいた・・・

今日は遅刻か・・・しゃーない・・・明日はミートボールを小分けで出そう・・・そう思う母親Mだった・・・


涙が乾いた小学生Lは気力を振り絞って母に震える笑顔を向けるのだ。


小学生L「じゃあ・・・いっそ、ご飯食べなくてもいくなったらいいのにね(涙声」

神「その願いかなえてやろか~~♪」


ミートボールうまいよねっ!

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