表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖刀使いの神殺し、亜空間から帰って来て三つの世界を救う  作者: 神港 零
1章 神殺しが帰ってきた
5/16

亜空間 その4

「はぁっ」


俺は間合いを詰め、短いかけ声で赤龍に向かって刀を振り下ろす。


「〖技法(ぎほう) 虎凪(とらなぎ)〗」


しかし、それを避けてまた間合いを取る。

ちっ、やりづらいな。


『主様、さっき八岐大蛇たちの魔法を斬った時みたいに私の権能を使ってください』


「主様って俺のことか?というか、さっきはなんとなく使ってしまったがいったいどんな権能をなんだ?」


「それは空間支配(スペースジャック)です」


「‥‥‥‥‥‥‥面白い権能じゃないか!」


俺は興奮気味に言う。

じゃあ、こんな使い方もできるそうだな。


『権能 憂鬱(アスタロト)


アスタロトに言われるがまま権能を使った。

その瞬間、目の前に赤龍が現れた。

俺は驚きながらもす刀を振りかざす。


「グハッ」


俺が剣撃を与えると赤龍は短い声を()らし、地面に倒れ込んだ。

それに連動するように他の龍たちも悲痛な表情を一瞬したのを俺は見逃さなかった。


「お前、もしかして八体の痛覚を共有しているのか?」


試すように権能を使い、次は飛龍を剣撃を加える。

今の俺には距離はあるようでないので簡単に当たった。

またもや悲痛な表情を見せたので確信する。

そんな俺を八岐大蛇は(うら)めしそうに見て言う。


「くっ…………………空間を支配する権能か、例え、我がこの空間を支配下に置いているのにも関わらずそれを無視して攻撃できるとはな」


「戦うのをやめないか?」


辛そうな顔をしている八岐大蛇を見かねてそう問いてみると目を丸くする。


「それはどういう意味だ?」


(いぶか)しげな目でイリスを見る。


「言葉の意味だ……………これ以上戦う意味はない。現にお前の目的の妖刀は俺の手の中にある」


「ちょっと主様!」


口を挟んで来ようとしたアスタロトを制止して八岐大蛇の言葉を待つ。

だが、俺の言葉とは裏腹に八岐大蛇は首を横に振る。


「我の心臓には神の刻印が刻まれておる。どうせ何も成果なしで戻ったら刻印で心臓を潰される。だったら戦死した方がマシだ」


「そうか」


俺はその言葉を聞いて、刀を構える。


やっぱりこいつは神みたいに性根(しょうね)(くさ)ってねぇみたいだな。戦い方も真っ向勝負で自分の全身全霊をかけて俺と戦っている。

だから、神みたいに本気で殺しにいくことが出来ない。

それにこいつはそこらの神よりは強いしな。

俺も覚悟を決めて、斬り込む。


「我も易々とやられないぞ?」


青龍と地龍がたいあたりをしてきて吹き飛ばされる。だが、すぐに体勢を立て直し、もう一度突っ込む。


再度攻撃を仕掛けようとしている俺に追撃をするかのように氷龍が氷の矢を空中に生み出し、放ってきた。


俺は氷龍と間にある空間を縮めて、背後へと向かう。


「これで一体」


刀を心臓部に突き刺し、動きを止める。

氷龍は力を尽き、倒れた。


「やっぱり一体一体倒した方が確実だよね」


「チっ………………こ、これならどうだ!」


悲痛な表情で地面にへばりついている赤龍と飛龍が魔法を放った。

そして赤龍と飛龍の魔法が混ざりあって炎の竜巻ができ、こちらに向かってくる。


「〖技法 虎凪〗」


俺は炎の竜巻を斬り、赤龍と飛龍に接近する。


「〖技法 八咫烏(やたがらす)〗」


短く呟いて刀を一振すると、八つの剣撃が二体の龍を襲う。


「これで三体」


二体の龍が動かなくなったのを確認して他の五体に視線を向ける。


一気に三体もやられて五体の顔に汗が滲にじむ。


「次はどいつが相手だ?」


その時、水の玉が周りに無数に現れ、こちらに向かってくる。


俺に触れた瞬間、分散し、まとわりつく。


「なんだ?これは…………………うわぁぁぁ」


いきなり電撃が走り、困惑する。


周りを見渡すと雷龍が魔法を放っていた。


「なるほど…………………水は電気を通す。青龍が水で俺を濡らし、雷龍は電撃を放ったってところだな」


「その通りだ、人間は電気に弱い。流石の神殺しのお前でもこれで……………」


「すぅー、はぁ



息を吸って、吐いた瞬間、イリスは『憂鬱(アスタロト)』で青龍の近づき、最速の居合(いあい)の型を繰り出す。


「悪いな、俺は雷耐性が高いんだ」


「〖技法 雷切(らいぎり)〗」


大きな光に包まれて雷龍と青龍は倒れる。


「これでもダメか、なら!」


八岐大蛇がそう言うと頭上にブラックホールみたいなのができ、俺を吸い込もうとしている。

これは多分、紫龍と白龍の技だろう。

俺はブラックホールに気を取られて死角から岩石が飛んでくるのに気づくのが遅れた。


「おらよっと」


岩石を弾いた瞬間、ブラックホールの吸引力が強すぎて吸い込まれる。


「や、やったか」


「いや、戻ってきたぞ」


「そこは感傷に浸る前に戻るところじゃないと思うんだが」


八岐大蛇は苦笑混じりに何故か背後にいる俺に向かって言った。


「これで勝てると思ってたのか?」


「…………………いや、まったく」


次は満足そうな笑みで八岐大蛇は八体なら元通り一つになって倒れた。


「早くトドメを刺せ」


「分かってる………………最後に聞きたいことがある。もしも、生まれ変われるなら何がしたい?」


「生まれ変われるとしたらか?そうだな、またお前みたいなやつと戦ってみたいな。お前みたいな優しくて強いやつと」


そう答えた八岐大蛇にトドメを刺す気にならなかった。


「どうした?早くトドメを刺してくれお願いだ」


「だが…………………」


「お前は本当に優しいやつだな………………しかし、我とお前は敵同士だ。決着をつけて欲しい。それに早く我を倒してここから出た方がいい。亜空間の崩壊が始まっている」


周りを見渡すと空間の歪みが目視できるほどはっきりしている。

俺は好敵手(こうてきしゅ)のお願いを聞くことにした。


「またな」


「ああ」


八岐大蛇に願いを込めて技法を使った。


「〖技法 逆転賢生(リカバリー)〗」


俺の拳は八岐大蛇を貫き、瞬殺する。


そして、呟く。


「また会えるといいな」と

少しでも

『この作品面白い』

と思ってくれましたら広告の下の★をクリックして評価してくれると嬉しいです。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ちょっともう私は読むのキツイかな。 筆者がランキング入りを目指しているのであれば もう一度自分の書いた文章を読み直し 自分作ったキャラにあった台詞に書き直したり、 文中でおかしいと思われる部…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ