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妖刀使いの神殺し、亜空間から帰って来て三つの世界を救う  作者: 神港 零
1章 神殺しが帰ってきた
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亜空間 その3

二回戦と言ってもこいつに有効打の攻撃がこちらにないんだけどな。


「やはりお前、ただの人間じゃないな」


「それはどうだろう」


俺は誤魔化すように戦闘を再開した。


「〖技法 雷神拳(らいじんけん)〗」


八岐大蛇はそれの巨体を上手く使って攻撃から身を守る。

かなりダメージが入ったと思うんだがまだ動ける余力があるのか、意外とタフだな。


「このままじゃ先に消耗するのは我の方だな、しょうがないあれを使うか」


俺から距離を取り、八岐大蛇が何かしようとする。


「これをここで使いたくないだがお前のために見せてやる。我の真の姿を」


俺はは嫌な予感がし、止めに入るが時すでに遅し。八岐大蛇が八体の龍に分裂(ぶんれつ)していた。


「多勢に無勢ってことか」


俺はそう呟くしかなかった。

すると、分裂が完了した八岐大蛇たちは笑いながらこう言った。


「一体の時は炎を吐くので精一杯だったがこの八体に分裂したことにより、事実上、八つの属性の攻撃が可能になったのだ」


「…………………火の赤龍(せきりゅう)、水の青龍(せいりゅう)、光の白龍(はくりゅう)、闇の紫龍(しりゅう)、雷の雷竜(らいりゅう)、風の飛龍(ひりゅう)、大地の地龍(ちりゅう)、氷の氷龍(ひょうりゅう)か………………こんなところで龍種に出会えるなんて光栄だな」


八体を見て、苦笑いを浮かべながらそう言う。

確か、龍種八体は古代より昔に神の怒りに触れ、消滅したと|本に記載(きさい)されていたがまさか神の手下になっていたとは。

しかも、一体化して八岐大蛇(ヤマタノオロチ)という神獣?になっていたなんて。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ワクワクするな!

伝説の龍種と一戦、戦えるなんてそうそうにない。


その瞬間、左に赤龍、右に青龍がそれぞれ炎と水の魔法を放ち、俺に先制攻撃を仕掛ける。


それをジャンプし、避ける。

しかし、その先には白龍と紫龍が待ち構えていて、そいつらも光と闇の魔法で攻撃してくる。

俺は咄嗟(とっさ)に守りの体勢に入り、その攻撃を耐えきった。


「さすが、龍種ってわけか」


ボロボロになった服を見ながら言った。

そんな俺に残りの四体も攻撃を仕掛ける。

北の方角に雷龍、南の方角に飛龍、東の方角に地龍、西の方角に氷龍がいた。


「やばっ!」


俺は思いっきり空間を足蹴りし、氷龍に一撃を加えようとする。

だが、間合いに入れてもらえず、龍種八体の魔法をまともに食らう。

思わず気絶しかける。


「うわぁぁぁ」


「これでどうだ?さすがに死んでるか?」


亜空間に八岐大蛇の声が響き渡る。

そして、少女の元に向かおうとした。


「ちょっと待てよ!俺はまだ生きているぞ」


少しかすり傷を負ったイグリスが八岐大蛇たちの歩みを止める。


「あの攻撃を受けて死なないのか?お前、本当に何者だ」


驚いた顔でイリスを見る八岐大蛇。

しかし、このままじゃ勝てるかどうか分からないぞ。あの少女が助けを求めていたから助けたものの妖刀がなきゃ何も出来ないのか。


『〖権能 超速再生(イシス)〗』


「権能だと!?

‥‥‥‥‥‥‥よく見ればその青黒い目。もしかしてお前、500年前に亜空間に閉じ込めた神殺しか!?死んだと思っていたがまだ生きていたのか?」


八岐大蛇は標的をイリスに変えたようだ。


「あの人が幾度も神々を倒し、創造神アザゼルを追い詰めた人…………………この人しかいない」


すると、八岐大蛇の言葉を聞いた少女が何か呟きながらこちらに向かってくる。


「君、こっちに来るな」


俺の忠告を無視し、少女は止まる様子はない。

八岐大蛇たちは少女が走って来ようがお構えなしに八体同時に魔法を撃ってくる。


俺はこちらに向かってくる少女、庇う。

その時、少女が光に包まれて刀に変貌(へんぼう)した。

咄嗟(とっさ)にその刀を使って魔法を斬った。


「〖権能(けんのう) 憂鬱(アスタロト)〗」


刀の権能が発動し、魔法が(ちり)のように消えていく。その様子に下唇を噛んだ八岐大蛇が言う。


「なるほど、そいつが妖刀だから我に回収を命じたのか。厄介なことを」


そう言い、俺から離れる。

イリス・ロードの真の強さは妖刀を扱っている時だということを感じ取ったのであろう。


「あの、これ契約してくれるってことでいいですか?」


「うわっ」


妖刀がいきなり喋りだしたので素っ頓狂(すっとんきょう)な声を出す。


「どうしたんですか?早く契約してアイツらを倒しましょう」


「………君は本当に妖刀なのか?」


今までの妖刀は喋る事など無かった為この妖刀と思わしき刀に俺は疑問を投げかける。


「一応、妖刀です。ただ、神に作られた妖刀ですが」


「何か深い事情がありそうだがまずは八岐大蛇を倒してからにしよう」


「はいっ!剣先に血を垂らし、自らの名前を述べてください」


俺は言われるがまま妖刀で指先を切り、血を垂らす。


「我が名はイリス・ロード」


「そして妖刀 アスタロト」


「「ここに契約の契りをかわす」」


その瞬間、身体に馴染むように膨大な力が流れるような感じがした。


「三回戦目、始めるか」


俺は八体の龍種に向かって走った。

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[気になる点] 今までの大蛇の話し方からしてこれは無い 「これでどうだ?さすがに死んじゃったか?わはは!」 「これでどうだ?フッ、流石に死んでいるか...」にして 先の攻撃で俺が死んだと思ったのか …
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