第13話 告
風の時代になって、自分の作品はそこに適応していないんでは
と思うようになりました。
いつまでこの小説が続くか分かりませんが、
皆さんが楽しめるよう、自分も楽しみながら、もがけるだけもがいてみます。
いつもありがとうございます。よろしくお願いいたします。
「何やて?」
「だから、ゲン様を元に戻してやる気はないかと言ってるんだよ」
「あるよ。でもお小夜さんどこにいるか分からんし……」
「そうか」
「無理やん」
「ううむ」
おっ父の唸り声がした。
「おい」
刀が口を開いた。
「何や?」
「てめえの親父にそろそろ言いたいことがある」
「おっ父」
与兵衛は呼んだ。
「何だ?」
「ゲン様がおっ父に何や言いたいことあるって」
「うむ」
「いつまでも隠してんじゃねえぞ!!」
もちろん、与兵衛には何のことだか分からなかった。だから、そのままおっ父に伝えた。
「いつまでも隠すなって言うてるで」
「……」
おっ父は何も言わない。与兵衛がおっ父の前を歩いているので、表情がわからない。
しばらく、二人は黙り込んだまま歩いた。
何やろ…? ゲン様の言う通り、もしやホンマにおっ父が、おれのホンマの「おっ父」を……?
与兵衛はとても困惑していた。
考え事をしながら歩いていたせいか、与兵衛は寺の近くの曲がり角を通り過ぎてしまい、おっ父に呼び止められた。
「与兵衛、こっちだ」
「あ、うん……」
空は白んできていた。