第10話 乱
ようやくあらすじのところまで書き終わりました。これからです。物語は。
今年は、ここまで。きりがいいので。
今年も、お読みいただきありがとうございました。
来年も、よろしくお願いいたします。
いつもありがとうございます。
うわあ、何や!?
おっ父が目の前で抜いた刀に応戦しようと、与兵衛の背中にある刀に触れた矢先。
与兵衛は自分の手がそれ以上動かないよう、何者かに押さえつけられていることに気付いた。
「だめよ、殺してはだめ!!」
与兵衛が聞いたことがあるような、ないような、しかし与兵衛には誰だかわからない、謎の女の人の声がした。
「お小夜!! そこにいるのか!?」
刀が取り乱した声を出した。
「おさや?」
与兵衛はそう言って、そのまま刀に手を触れた姿勢で固まるしかなかった。
おっ父の動きまで、不意に止まった。
「与兵衛、お小夜さんを知っているのか?」
おっ父は、そう訊いた。
その口ぶりはまるで、おっ父は知っている、と言っているように与兵衛には聞こえた。
おっ父はようやく、ゆっくりとお面を外した。おっ父は、明らかに「お小夜」という名前を聞いたことで動揺していた。それは、与兵衛がそれまで生きてきて、記憶にある限り初めて見る、おっ父だった。
誰か、女の人の名前なのだろう、ということは与兵衛には想像が簡単にできた。
でも、誰のことや?