魔物選び
テント内のそれぞれの角に三匹の見慣れない魔物がいた。後から入ってきたオーゼンさんに説明してもらう。魔物は。ベース/特徴/性格/存在率がステータスとして見ることができる。
02)ベース:うさぎ、特徴:火炎角、性格:臆病、生存率:ノーマル
03)ベース:ダンゴムシ、特徴:モフモフ、新芽、性格:面倒くさがり、存在率:ユニーク
09)ベース:九尾、特徴:メカ、性格:気分屋、生存率:ユニーク
テント内の中央で、「おいで」と呼ぶと、なんと…3匹とも近寄ってきた。それは三者三葉で、恐る恐る、面倒くさそうに、フンッと馬鹿にしながら…。
「どうなっているんだ?」とオーゼンさんも驚き、「おい、 ベネツィオ…魔力の空きはあるか? 一匹に付き、☆を一つ消費するんだぞ? 三匹と契約して50%を超えないか、確認してくれ」
「大丈夫です」と告げると、「☆六個持ちかよ…それは優秀だな」と褒めてくれた。☆20個持ちなんだけど、言えないルールですから…。
まずは、一番最初に来た鋼色の小狐がデフォルメした感じのずんぐりむっくりの魔物だ。二番目はダンゴムシの表面にモフモフした毛が生え、触覚が新芽の魔物だった。最後の魔物は、白いウサギをデフォルメして額に真っ赤な角が生えていた。でも、それぞれが本当に小さい魔物だ。
「契約時には、☆と名前が必要になる。名前を付けてくれ」
「はい。メタフォ、ダンモフ、うさ角です」
・魔:★★★★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
⇒獲得魔法:魔法の箱、悪の認識、契約魔物3匹
メタフォは頭の上に乗り、ダンモフは左腕に巻き付き、うさ角は足元に寄り添ってきた。
「餌は何を上げればよいのですか?」
「基本、何でも食べるが、好き嫌いもある。焦らずにゆっくりと観察するように育てることだ」
オーゼンさんは、村人の中でも、俺に対しては中立な立場を貫いてくれる人だ。信用できるので、素直にアドバイスを聞く。
「はい、わかりました。よし、行こう!」
三匹に声をかけ、イーノーベ老婆の家を目指す。小さい魔物と言っても、2,3kgはある。それが頭に乗っていると、結構疲れる。
「おい、メタフォ、自分で歩いてくれないか?」全く聞こえないふりである。
ぐぬぬ…。最初が肝心だと思うのだけれど、まったく主として見られていないのだ。
家に連れて帰ると、イーノーベ老婆は驚く。
「三匹とは凄いじゃないか。まるで英雄のようだね」
英雄かぁ…。俺も、”テイマリアン・サーガ”の主人公のように、なりたいな。少しだけ淡い期待を胸に抱く。
それにしても、今日は、いろんな事があったな…。いつもよりも早く、三匹の魔物と寝床に着くのであった。