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拡張される魔

薄暗い森の中、煌々と輝く場所を見つけ近づいてみる。今度は、光の縄に絡まったカラスか。光の縄は、触れると弾けるように消えてしまい、カラスは人形に姿を変えた。


「はぁ…。た、助かったぞ、人間よ」と同じ背丈の悪魔が上から目線で話しかけてきた。髪は、烏の濡れ羽色で、腰まで伸びていた。全裸で氷のように白く体温を感じさせない。


俺は腰を抜かし、その場に座り込み「こ、殺すのか?」と恐怖に負けて話しかけてしまう。


「いや、悪魔と言えども恩義はあるぞ。あぁ…勿論、人間を喰ったことはある。しかしだな。俺様が仕える…あのお方の命令で、悪しき人しか喰わぬのだ。ほう? 魔の数が多いな。どれ恩返しに、悪を見分ける力を与えてやろう」


・魔:★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆   

 ⇒獲得魔法:魔法の箱、悪の認識


悪魔は満足したように「これで恩は返したぞ?」言う。そして今度は「うん?」と首を傾ける。


クンクン。「お前、なぜここにいる?」


「どういう意味だ? 俺は村に帰る途中だ」という俺の返事にニヤけ、「面白いぞ。お前。さて人間よ、契約しないか?」と言ってきた。


「悪魔と契約はできない」はっきりと悪魔の目を見て断る。


「ほう? 恐怖に負けた分際で、今度は言い返すか…。面白い。契約内容は、”お前が悪に染まった時、お前を食わせろ”だ。どうだ? お前は悪に染まるのか?」


勝手に話を進める悪魔。「いや…悪には染まらない。だが、俺に何のメリットも無いではないか?」


「メリットか…。俺の血を少し分けてやろう。悪魔の血だからといって、悪に染まるとか言うなよ? 血はいずれ役に立つ…。それぐらいしか、今は言えん。言っておくが、この契約は強制だ」


お互いの指先を少し短剣で切ると、滲み出た血をお互いが舐めることで契約が完了した。


悪魔が飛び去る前に、緑色の液体が入った試験管を渡された。


カラスの姿になり「お前には魔の素質がある。後、決して悪に染まるなよ? お前は喰いたくない」と言いながら大空に消えたしまった。悪魔の姿が完全に見えなくなると、液体を飲み干し、村に急ぐ。


・魔:★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆   

 ⇒獲得魔法:魔法の箱、悪の認識


村に着くと、イーノーベ老婆の家に入ると、目の前の老婆に「ばあちゃん、今帰った。テイマーの参加費、銅貨3枚…使っていいよな?」と尋ねる。


「あぁ…好きにしろ。だが、その前にこれを飲め。死んだじいちゃんが、残していったもんだ」


緑色の液体が入った試験管と使用上の注意が書かれた紙を渡された。またか…。グビグビと飲み干し、家を出て、テイマーの魔物がいるテントに急ぐ。


・魔:★★☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 ⇒獲得魔法:魔法の箱、悪の認識


テントの前には、この村の護衛役でありテイマーに詳しいオーゼンという青年が立っていた。オーゼンさんは、俺の顔を見るなり、「気を落とすな」と肩を叩いた。


「残りは、3匹だ。どれも…戦闘には向いていない」


覚悟を決め、俺はテント内に入る。


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