プロローグ
なんとなくモテていた俺だが実は秘密がある
「お前さーほんとモテそうでいいよな」
これは俺と仲良くなった男の大半が言ってきたことである。
こんなことを言われたら誰だって嬉しい
俺も言われるたびに満更でもない気分になり
心が踊ったものだ
だがしかし俺には彼女がいたことはない
なぜか?なぜなのか?why?
勉強ができて
運動ができて
人当たりもよく
顔もまあまあ整っていると言われる俺たが
今まで付き合った彼女はいない…
まぁ結構仲良くなった女子はいたよ?
ほんとだよ、マジ!マジ!
放課後遊びにさそってくれたあの子とか
部活の応援に来てくれたあの子とか
勉強教えて!って言ってくれたあの子とか
みんな可愛かったし、人気もあったし、俺にはもったいないくらいいい子だった。
少なくとも俺もちょっと好きになっちゃうくらいにはなかよかった。
だが、彼女はいない、No girlfriend!!!
俺だって思春期の男の子だ彼女は欲しい
好きな子とイチャコラする青春とかに憧れはある。
それでも彼女ができないのは俺のある能力が原因である。
まぁぶっちゃけますと…
俺相手の心の声が聞こえるんです
これがまた不思議なことに現実なんですわ
昔から一定以上に仲良くなった女の子に限り
心の声なるものが聞こえてくるようになったわけです。で、だ
なんでこの能力が彼女ができない理由になるのかだが
ここで俺が実際に聞こえてきた心の声の例を
見せたいと思う。
上にて紹介した『〜なあの子上からA子B子C子』
まずはA子ちゃんから
「ねぇ〜俺くん放課後どっか遊びに行かない?♡」
(俺くんそれなりにいい感じだしステータスとしては申し分ないよね!)
続いてB子
「俺くん!応援にきちゃった♡部活頑張ってね♡」
(応援とかまじだるー、でもクラスカースト的には俺くんものにしたいし、しょうがないか)
んでC子
「俺くん、べんきょー教えてー♡」
(こうやってバカなフリして近づけばチョロっと落ちるんだよねー男って楽チン♡)
こんな感じですわ
もぉー女の子怖!
は?なんなん?なんでそんな平気な顔して
♡つけて喋ってられるん?
C子とかめっちゃバカそうに見えて
全部計算してとか怖すぎやん
軽くホラーの域ですわ
もうさ、最初めっちゃいい子に見えてた子がある日突然腹黒大魔王だったら流石に女不審にもなるじゃん。
それがさ一人や二人じゃないんよ
下手にモテたせいでまあまあな人数から裏切られたわけですよ。
そしたら彼女なんてできんやん…
でもさ、純粋に好きな人との恋愛とかやっぱ憧れるじゃない。
これはそんな不幸な能力により女不審になりながらも彼女とのイチャコラライフを夢見る俺こと斎藤 祐翔 〔さいとう ゆうと〕の
奮闘記録である。