白いTシャツ
人はいつもどこか、欠点を持っている。
いつもの朝を迎える。
清々しいとは程遠い、曇天の空を見上げながら、自転車に乗り大学に向かう。
すれ違ったサラリーマン風の男は、シャツがよれているし、ネクタイも曲がっている。
きっとあいつは聞いたこともないような会社に勤めて、
男一人寂しく過ごしているんだろう。
さっき追い越した女は、とにかくダサい、
顔を見ていなくても、顔を想像できるほどだ。
なんて考えているうちに無意識に校門をくぐっていた。
いつもの席に座ると、たいして仲が良くないやつに声をかけれる。
めんどくさいことだ。
「こないだのあのテレビ見た?」「めっちゃ面白かってんけど、なぁ聞いて、、、」
つまんな、
と思ったらもう口は動いている。
「そんなつまんなそうな番組見てるんかよ」
あいつの顔が歪んだ時には取り返しのつかないことを知りながら、
「そんなしょうもないもんばっかり見ててよう飽きひんな」
と言った時には、更に顔を歪ませたあいつは目の前から立ち去っていた。
仲のいいと言える友達はいるにはいる。
今、いないだけだ。
大人数でつるんだりするのはめんどくさい。
つまらん話を聞くのもつまらんものはつまらん
人は欠点を持っている。
しょぼい給料で男一人で過ごすやつ
たいして顔も良くないのに更に自分をダサく着飾るやつ
つまらん話をするやつ
どいつも欠点だらけで、しょうもないやつらだ。