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スペルランカー  作者: 六青ゆーせー
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村は、完全に火が回っていた。

チェコたちが見ている前で、大きな家屋が、ぐしゃりと燃え潰れた。


村の周囲には畑があったためと、村全体は岡に作られていて、周囲を堅牢に石垣で囲っていたため、何とか森に延焼するのは避けられそうだったが…。


「ヒヨウ…。

これって…?」


「ああ」


ヒヨウは、炎に照らされた顔で頷いた。


「こんな真夜中に火を使っていたとは思えない。

間違いなくプルートゥの仕業だろうな」


チェコは火を見つめていたが…、急に、ええっ! と驚いた。


「もしかして、キャサリーンねぇちゃんたち、この村にいた、ってこと?」


ヒヨウは目を細め。


「捜索では、そう出ていた」


呟き、少し周りを歩いてみよう、と提案した。


そう広くない村の周囲を回ってみると、真っ黒こげに焼かれた、頭の異様に大きい人間の死体と、背が極端に低い人間の死体があった。

二人とも、槍を手にしていた。


死体の先には、微かではあるが、道の痕跡のようなものがあった。


「先に行ってみよう!」


ヒヨウは剣を引き抜き、走り出した。

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