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スペルランカー  作者: 六青ゆーせー
75/688

出現

ヒヨウの背中で、ミカとチェコは見つめ合った。


「ヒヨウ? 

 ヒヨウ!


 …ヒヨウ…」


チェコが声をかけるが、呻き声もしない。

ただ、背中に耳を当てると、心音はあった。


「ね…、ねぇ…、どうするの?」


ミカの問いに、チェコは、うん、と頷いて。


「一人一殺、するしかないよ。

ミカさんは目の前、三…、いや、あれから数歩は歩いているはずだから、二メートルの鎧骸骨を殺って。


俺はミカさんの背中を歩いて、そこから横に向かって、奥の骸骨の首を撥ねる!」


チェコは、古井戸の森で拾った短剣を握り締めた。


だが…。


ちさが呟いた。


「チ、ェ、コ、、、ミ、カ、、なに、、か、、来る…」


えっ、と二人は振り返った。


こんな最悪なタイミングで、肉食獣だろうか!

振り向いた瞬間、どっ、と付近の茂みが、燃え上がった。

突然の強い光に、思わず目を背けたチェコとミカの前に、巨大な男が現れた。


「いよぅ、ミカ、久しぶりだな。

そっちは、リコ村の餓鬼か。


ちょうど良かったぜ、あの妖精女が、山でテレポを使いやがった。

タッカーも、餓鬼のワンコも、それに巻き込まれた。


俺と協力して、三人を探せ!」


それは軍帽の男、プルートゥだった。

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