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スペルランカー  作者: 六青ゆーせー
54/688

月齢

ミカは叫んだ!


「封印!

もう十五枚のカードを封印しているわ。


キャハハ!

参りました、って泣いてもいいのよ、坊や!」


「んー、

もうちょっと、やってみる…」


「そう言っていられるのも今だけよ。

前回のアース二と今のアースを二使って、

召喚、キュプトピラゥズ!」


岩と苔が組み合わさったようなバトルフィールドに、巨大な、何か動物の臓物のような、不気味に蠢くものが現れた。


「キュプトピラゥズはパワー、タフネスが五のコズミックホラーよ。

四アースで召喚できるのはオーバーパワーなので、代わりに一ターンに一つづつ、あたしの命を削るわ。

以上!」


チェコは真顔になって、


「ミカさん。

なんで自分に痛い召喚獣ばっかり集めているの?」


ミカは、目に怒りを煌めかせ、


「決まってるわ!

強いからよ。

スペルバトルは、敵より強い召喚獣を出した方が勝つ。

それは当たり前の事なのよ!」


「でも何か…」


「スペルを使わないなら、こっちの番にするわよ!」


チェコは言葉を飲み込んだ。


「判ったよ。

それじゃあ、スペル、捕食、発動!

あなたのコントロールする召喚獣が、草食動物と、それを捕食する肉食動物だけである場合、あなたの持っている全アースを消費し、代わりに、十アースを加える」


ミカは、ヒュー、と口笛を吹く。


「驚いたわ。

そのスペルを使う人間を初めて見た」


「俺も初めて使ったよ、ウサギしか持っていなかったから。


そして、発動、月齢!


場に十以上のアースがある場合、月齢はアースの少ない方に対し、十のダメージを与える」


「ちょ…、ちょっと待ってよ。

月齢の、コストはどうなっているのよ!」


「残念でした~!

月齢は、0アースのスペルなので~す!」


ミカの、えぇ~、という叫びと、ミカの頭上に現れた巨大な満月が、一気に満月から新月にまで減っていき、真っ暗になった瞬間、ミカの足元は爆発した。


キャー!


叫びとともに、ミカの周囲の岩が崩れた。


「あ~、しまった!」


言いながら、チェコは、崩れる岩の上を跳び、ミカを救おうと走っていた。

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