月齢
ミカは叫んだ!
「封印!
もう十五枚のカードを封印しているわ。
キャハハ!
参りました、って泣いてもいいのよ、坊や!」
「んー、
もうちょっと、やってみる…」
「そう言っていられるのも今だけよ。
前回のアース二と今のアースを二使って、
召喚、キュプトピラゥズ!」
岩と苔が組み合わさったようなバトルフィールドに、巨大な、何か動物の臓物のような、不気味に蠢くものが現れた。
「キュプトピラゥズはパワー、タフネスが五のコズミックホラーよ。
四アースで召喚できるのはオーバーパワーなので、代わりに一ターンに一つづつ、あたしの命を削るわ。
以上!」
チェコは真顔になって、
「ミカさん。
なんで自分に痛い召喚獣ばっかり集めているの?」
ミカは、目に怒りを煌めかせ、
「決まってるわ!
強いからよ。
スペルバトルは、敵より強い召喚獣を出した方が勝つ。
それは当たり前の事なのよ!」
「でも何か…」
「スペルを使わないなら、こっちの番にするわよ!」
チェコは言葉を飲み込んだ。
「判ったよ。
それじゃあ、スペル、捕食、発動!
あなたのコントロールする召喚獣が、草食動物と、それを捕食する肉食動物だけである場合、あなたの持っている全アースを消費し、代わりに、十アースを加える」
ミカは、ヒュー、と口笛を吹く。
「驚いたわ。
そのスペルを使う人間を初めて見た」
「俺も初めて使ったよ、ウサギしか持っていなかったから。
そして、発動、月齢!
場に十以上のアースがある場合、月齢はアースの少ない方に対し、十のダメージを与える」
「ちょ…、ちょっと待ってよ。
月齢の、コストはどうなっているのよ!」
「残念でした~!
月齢は、0アースのスペルなので~す!」
ミカの、えぇ~、という叫びと、ミカの頭上に現れた巨大な満月が、一気に満月から新月にまで減っていき、真っ暗になった瞬間、ミカの足元は爆発した。
キャー!
叫びとともに、ミカの周囲の岩が崩れた。
「あ~、しまった!」
言いながら、チェコは、崩れる岩の上を跳び、ミカを救おうと走っていた。




