絶叫するヒキガエル
ミカはゲラゲラと笑った。
「アースが三つしか出せないスペルランカーのスペルボックスには、何枚カードが入っているのかしらね。
仮に十秒に三枚使うとして、四十枚から六十枚ってところかしら?
ところが、そのうちの十二枚が封印されて、しかもそれが使ってみるまで判らなかったら、バトルはどうなるのかしらね!」
アハハ、と笑い。
「スペルカード、封印、発動!
また、貴方のカード三枚を封印したわ。
そして新たに召喚、絶叫するヒキガエル!
パワー二、タフネスは一のヒキガエルよ。
一アースで、パワー二はオーバーパワーな代わりに、攻撃が成功したら、あたしも一ダメージを食うの。
以上」
チェコは唸った。
ウサギの巣穴が無ければ、草原のウサギは、防御をすれば相打ちになる。
だが、攻撃をしようにも、敵には壁があって、防がれてしまう。
チェコの手持ちの召喚カードでは、呪いの石像ならば、絶叫するヒキガエルを封殺できるが、あれは生贄を必要とするカードで、五匹のウサギを生贄したうえで、自分のライフを五削り、石像を召喚したとして、もし石像が封印されてでもいたら、チェコは実質、五体の召喚獣を自分で殺したのも同じだ。
だが、それ以上に危険なのは、このまま、どんどんカードを封印されていくことだった。
「森の狼、召喚。
以上」
チェコは呟いた。
「ホホホ…。
戦いを諦めたのかしら。
封印戦って言うのは、スペルランカーの腕が如実に表れる戦いなのよ。
一つの勝ちパターンしか持っていないボンクラ君は、ただ封印されていくのを、陸に打ち上げられた魚のように、口をパクパクさせながら見ているしかなくなるのよ、坊やちゃん!」
ミカは金色の目を輝かせ、高らかに笑った。
「スペル、封印。
そして、浮遊する壁、以上!」




