表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スペルランカー  作者: 六青ゆーせー
508/688

「おいチェコ!」


タフタが、隣の家の屋根の上で囁く。


チェコが顔を出すと、タフタはロープを放ったので、受け止めた。


「ちょっと待って」


ミカは召喚獣ゴーレムを出した。

ゴーレムにロープを握らせた。


「これでいいわ」


言ってミカは、ロープに跨がると、片足を曲げて足首をロープにかけ、ロープを這って進んだ。


ついでチェコがパトスを背中に乗せて這い、キャサリーンが続いた。


「タッカー兄ちゃん!」


タッカーは、青ざめている。


「どうしたのタッカー。

今まで、もっと高い場所も歩いてきたでしょ?」


ミカが急かす。


確かに、魔女の宴場にしろ、ネルロプァにしろ山羊の道にしろ、遥かに高い場所を歩いてきていた。


「で…、でもロープの渡り方なんて、僕は知らないんだよ…」


タッカーは途方にくれた。


「仕方ないかな」


ウェンウェイは言って、タッカーの胴体を脇に抱えると、窓に足をかけ、ヒョイと跳んだ。


「よし、じゃあ、このまま屋根伝いに山に行っちまおう」


タフタは囁く。


「え、山にはピンキーがいるんじゃないの?」


チェコが聞くと、


「村から出る道は決まってるからな。

そこを見張っているに決まっている。

山に出れば、奴らの裏をかけるのさ」


言って、タフタは屋根を跳んだ。五軒ほどの屋根の上を登り降りしていくと、大きなケヤキの木の枝が屋根の上に被さっていた。


そこからケヤキに移って、木の幹を滑り降りる。


そこは既に、深い森だった。


「こっちだ」


タフタは走る。


森は下生えの草も凄かったが、タフタの選んだ道は、すんなりと走ることが出来た。


やがて森は登りになり、木や岩を避けて右折左折を繰り返し、ふと出ると、そこは砂漠の際だった。


タフタは一旦足を止め、周囲を用心深く探って、よし、と囁き、走った。


一直線に夜の草原を走ると、すぐにそれが判った。


チェコの身長よりも、遥かに高くそびえ立った、蟻塚だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ