封印
「バトルよ!」
青いドレスの少女が叫び、同時に青いアースを四つ浮かべた。
「しょうがない。
パトス、やるよ!」
チェコが緑のアースを一つ、黒を一つ、そしてパトスが青いアースを浮かべた。
「あたしの先手よ。
浮遊する壁、召喚!」
少女の頭上のアース二つが消える。
「そして、スペルカード、封印を発動。
相手スペルボックス内の任意のカード三枚を封印する。
そのカードが何なのかは、あたしにも相手にも、使ってみるまでは判らない」
少女の頭上のアースが全て、消えた。
「ねぇ、バトルは良いけど、そこは危ないよ。
もっと安全な場所でバトルしようよ?」
「あーら。
そんなことを言って、自分の有利な地形に誘導するのは野戦の常套手段よ。
あたしはここで大丈夫。
それより、あなた、スペルを使わないわけ?
ミカは気が短いから、十秒過ぎたら、動くわよ」
「あーもう!」
チェコは、頭を振り。
「エンチャント、ウサギの巣穴、発動!」
が、頭上のチェコのアースは消えるが、スペルは発動しない!
「えー、何、これ!」
「キャハハ!」
ミカは高らかに笑った。
「最初の一枚を封印されちゃうなんて、君、とんだオマヌケさんだね!」
チェコは肩を落とした。
「そ…、そんな…。
俺のデッキのキモなのに…」
「どうしたの?
早くしないなら、ミカ、やっちゃうよ!」
「あ…、ああ…。
草原のウサギ、召喚。そして、草原のウサギ、召喚、以上」




