接合
チェコはなおも布団の上のカードを見ていたが。
「ん、ちょっと待って…」
急に何かを思いついたようだ。
「どうしたのよ…」
ミカは、いかにもやらかしそうなノリノリのチェコに警戒を高めた。
「接合!
俺とパトス!」
急に、チェコは叫んだ。
「ちょっと待ちなさい!
あんたもパトスも召喚獣じゃ無いでしょう!」
ミカも叫んだが、その時には既にスペルは発動していた。
チェコが光り輝き、バサッ、と服が落ちた。
パトスも、同じように光っている。
二つの光りは、徐々に近づき、そして一つになった。
「うわっ」
チェコの声と、ギャン、と鳴くパトスの叫びが重なった。
そして…。
フゥゥゥゥ…!
布団の上で、大型犬のようなものが、唸りながら蹲っていた。
「おお、…出来た!」
チェコらしき声がして、大型犬が、ピョン、と跳ねた。
「見て、ミカさん、パトスと合体したよ!」
チェコの声は喜んでいるが、ミカは絶叫する。
「馬鹿ね!
チェコ、すぐに戻りなさいっ!」
ミカが掴みかかったので、チェコは。
「判ったよ…」
と言って、解除、と宣言すると、再び大型犬が光り、チェコとパトスに別れた。
「おー!
こりゃ面白い!」
チェコは裸で喜んでいるが、パトスは、
「…俺、大人の姿になった…。
まだまだ、大人になんてなれないはずなのに…」
と愕然としていた。
「やめてよ!
もー、自分にスペルを使うのは、本当に危ない事なのよ!
召喚獣のスペル、って書いてあるでしょう!」
ミカは立ち上がって憤っている。
「チェコ君、ちょっと、そのカードを見せて」
今まで寝ていたキャサリーンが、チェコの手からカードを取った。
「スぺル、解析」
キャサリーンが唱えると、カードの上にズラズラと魔法記号が現れた。
「ふぅん、見慣れない魔法式ね。
でも、確かに、これなら召喚獣じゃ無くても接合できちゃうようねぇ…」
と唸った。




