表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スペルランカー  作者: 六青ゆーせー
496/688

鳴子

「でも、じゃあ、どうするの?」


動くな、と言うのも難しい要求だった。


「まー、そうさな」


タフタは言って、


「しばらくは俺は寝るから、見張っていてくれよ」


言うと、布団に潜り込んだ。


見張か…。


しかし窓辺にはタッカーが爆睡していて、外を見ることも出来ない。


仕方なく、チェコはミカに話しかけた。


「じゃあ、ピンキーが動くまで、ずっとここに泊まるって事?」


「そうかもね。

ピンキーたちが持久戦に持ち込むつもりならね。

全ては左腕や右手のダメージ次第でしょうね。

でも奴らだって長期戦の用意なんてしているはずないから、やって一週間、たぶん二、三日の間がキモになると思うわ」


「へー、凄いんだねミカさん。

農夫がその年の作物を予想するみたいに、戦場の事が判るんだね」


ミカは、ガブ、と魚の干物にかぶりつき、


「こっちは何年もプルートゥと戦場に出ていたのよ。

あんなチンピラたち、目じゃないわ」


豪快に笑った。


「じゃあミカさん、この辺のカードの事、判る?」


チェコはミカに、紙袋のカードを見せた。


「また変なカードばっかり集めたものね」


「この大地のアースとか、面白いと思うんだ」


ミカはパンを齧り、魚で出汁を取ったスープを飲みながら考え、


「普通はトーナメントデッキ五十枚にアースを出すスペルを入れるのならば、それはチェコの捕食みたいに大量アースを手に入れる場合に限られるわ。

一アースだけ、手に入るなら、せめて色が判らないと使えないと思うわよ」


そう言われれば、そうかもしれない。


「ま、今はそれでも良い場合もあるかもしれないけどね」


「じゃあ、この花クラゲは?

強さが判らないんだ」


ミカはカードを見て、


「たぶん状況次第で強さが変動するんでしょうけど、それを明示していないところがキモなんでしょうね。

何が出るのか、やってみないと判らないビックリ箱、って言えば聞こえはいいけど、何によって、どう変化するか判らないと、怖くてデッキには入れられないわね。

まぁ、最低でも毒があるから、ブロック要員を兼ねたタップ要員、ってところかしら」


「じゃあ、この鳴子は?」


「これは、例えばタッカーのデッキとか、相手の動きが判らない時には、それなりに有効かもしれないけど、常に使うカードじゃないわね。

でも日常生活では、今も便利に使えるかも。

ちょっと、張ってみましょうか」


ミカは言うと、鳴子を発動させた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ