町案内
重要なのは基本のカード、スペル無効化や石化、雷、エンチャントやアイテムを排除するカード。
そしてガキどもに遅れを取らないためには、二つ頭や巨人のエキス、巨人化。
飛行や跳躍、バブルのカードも最低五枚は欲しい。
ガキどもを相手にするなら、十枚でも二十枚でもあった方がよかった。
ただ、これらはチェコでも知っている基本カードであり、専門店なら、もっと色々、面白いカードがあるはずだった。
チェコがこれから相手をするはずのコクライノの都会のガキは、たぶんチェコよりずっと知識がある…。
ハァ、チェコを大きく溜め息をつき、
「俺って田舎者だよなぁ~」
と嘆いた。
プー、とミカが吹き出し、一緒に歩いていたみんなは、一斉に笑い始めた。
「あんた何、もうコクライノに着いたような気になってんのよ(笑い)」
ミカは腹を抱えて笑った。
「まー、そういう心配は、も少し麓までおりてからするこったな(笑い)」
とタフタも肩を揺らす。
「緊張しすぎも悪いが(笑い)、チェコ、せめて針山を抜けてからにしような(笑い)」
ヒヨウまで、声を震わせていた。
「えー、だってさぁ。
都会の話なんて、ついていけないよ、俺?
それに、出身はリコ村なんて言ったら馬鹿にされるし…」
うーん、とタッカーは考え、
「たぶん、チェコが思うほど馬鹿にはしないと思うよ。
田舎から下町に、親戚を頼って越してきた子がいたけど、体力が凄いんで、皆、一目置いていたよ。
街の事なんて、住んでみれば一月もしたら覚えるものさ」
とチェコを励ました。
「えー、そうかな?
路面電車の乗り方とか、たくさんある街の名前を覚えるとか、ファッションだって、俺、全然知らないんだよ!」
「最初はついていって上げるから大丈夫よぅ」
キャサリーンは笑いながら言った。
「服はあたしが選んで上げる。
コクライノで下着まで揃えるわよ」
ノリノリにミカは話す。
「まー、教科書とかノートとか、揃えるものが沢山あるから、しばらくはホテル泊ね。
何日か街を歩けば、すぐに慣れてしまうわよ」
キャサリーンが言えばタッカーは、
「僕はバトルシップに案内するよ。
面白いよ。
チェコはきっと気に入るよ!」




