表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スペルランカー  作者: 六青ゆーせー
452/688

学校デビュー

「話が込み入っているところ悪いが、ここは早いうちに針山を降りてしまいたい。

先に進もう」


ヒヨウが言った。


ああ、と皆頷き、倒れた岩の上からヒヨウが垂らしたロープを伝って降り、白い道を歩いた。


学校!


チェコはしかし、取り乱したままだ。

学校というと、同じくらいの歳の子供が集まって先生に勉強を習う、と聞いた。

たぶんグレン兄ちゃんがヴァルダヴァ卿に仕える前、ハジュクの学校に通っていて、話してくれたのだ。


友達が沢山いて楽しいぞ、と言っていた。


友達ねぇ…。


チェコはリコ村で、蔑まれて生きてきたので、同年の友人などいなかったし、容易く信じる気も無かった。


あいつらは、アホで、臭く、その日その日の風向きで、因縁をつけてきたり、ダリアの手が必要だと下手に出たり、毎日バカ丸出しだった。


そんな奴らと一年中一緒にいる?


そう考えると気が重くなる。


だがコクライノへ行ける!


良い成績を取ればアルバイトを斡旋してもらえ、カードショップにも行ける!


チェコは眉をしかめたり、垂らしたり、忙しく動かして悩んでいたが…。


ダリア爺ちゃんの手伝いをして、リコ村のアホ餓鬼と年中、顔を合わせていることを思えば、まだましか…。


と、結論した。


それにつけても…。


チェコは思った。


早くスペルカードを揃え、アホに因縁をつけられた時には、思い知らしてやる、ようにしなくては!


それは重要だった。


リコ村では、チェコは貧しかったし、親がいない、体が小さい、などの理由で、最底辺の子供と見なされ、蔑まれていたが、コクライノでは、そうならないように立ち振舞い、必要ならば相手を打ちのめさなければいけない。

そのためには、負けてはいけない!


成績でも喧嘩でも…。


チェコは再び、うーん、と唸った。


体は丈夫で、運動神経も優れたチェコだが、喧嘩は強くないのだ。

パトスもいるから、そうそう遅れを取ることはない、とは思うのだが、ここは重要だよな…。


体の小ささは、スペルで補わなければならなかった。


俺はもっと、強くならないといけない…。


いつの間にかチェコは、学校デビューに想いを馳せていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ