表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スペルランカー  作者: 六青ゆーせー
443/688

バトルシップ

それがスペルランカーとしてのチェコの最大の弱点だ、と自分でも判っていた。


ヒヨウやタッカーの年齢なら、自分で稼げるし、二人とも、事実、働いているのだろう。


だがチェコは、やれる事と言えば、せいぜい鏡を作るぐらいで、ダリア爺さんを手伝っていた、と言っても錬金術師な訳でもない。


たとえハジュクに行ってカードショップに入ったところで、ポケットには、ダリア爺さんのくれた小遣いを貯めた銅貨十二枚と銀三枚があるだけだった。


俺みたいなチビ、働けるかな?


雇ってくれる、と言うなら、どんな汚れ仕事でもするつもりだが…。


一枚のスペル無効化で、いくらかかるのだろうか?


スペル無効化と石化は、五枚は必要だった。

全ての戦いに五枚入れなくとも、入れなくてはならないタイプの敵は必ずいるからだ。


後は、ともかくカードの知識も、ショップへ行って蓄えなければならない。

どんなガードが売っているのか、それすらチェコはトカゲ人間の旅団でしか知らなかった。

しかし旅団は、普通の民家を相手にする商売なので、日常のスペルカードを主に扱うもので、スペルランカー用のバトルガードなどは少ししかない。


それでもチェコは、トカゲ人間のキャンプが来る毎月五日の夜には、真夜中の草原から岩山を歩いて、キャンプに行った。

ダリア爺さんのお使いもあったので、帰りは大荷物になったが気にはならなかった。


ハジュクのカードショップ!


それは、行けるとも、数日前までのチェコは考えもしなかった夢の場所だ。


だが…。


ポケットの中は空に等しい…。



それがチェコの現実だった。


ハジュクって、野宿出来るところはあるのかな…。


宿、という物があるのは知っていたが、とても泊まれる金は無かった。

野宿をし、働き、なんとかカードを揃え、デッキを組み上げる…。


それが今の、チェコの野望の全てだった。


「まー、ほら、さっき言ってた森と闇の修験者とかがあれば、チェコのデッキもきっと強くなるよ」


しばらく黙って考え込んでいたのを心配したのか、タッカーが話しかけてきた。

問題は、買う金なのだが…、と思いながらも、チェコは微笑み、


「そうだよね。

ハジュクのカードショップ…、へ、早く行きたいな!」


言うが、ミカが、


「ハジュクねぇ…。

小さな町だし、カードショップのレベルは低そうね。

この辺りなら、やっぱりコクライノのバトルシップ、じゃないかしら」


タッカーも、


「へへ、僕も、バトルシップが行きつけのショップだよ。

バトルスペースもあって、いつでも誰かとバトれるんだ。

チェコもコクライノに来たら、案内してあげるよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ