世界樹の先
「月は動いているのよ。
世界樹より、ずっと高いわよ」
ミカは、チェコの言葉に反論した。
「月の高さは、実は一定では無いと言われているかな」
「え、、そうなの」
チェコは、ウェンウェイの言葉に驚いた。
「月の大きさは定規と目の距離を一定にすれば観測できるかな。
月の大きさは一定の周期で変わるのかな。
つまり、距離が違うのかな」
「しかし世界樹は、どんな大風が吹いても倒れない。
不思議なもんだよなぁ」
タフタも言う。
「空に刺さって動かないのかもね」
「師匠は、空には幾つも島があり、天使が住んでる、って言ってたわ。
世界樹は、そうした島の一つと繋がっているのよ。
だから、あたしたちが世界樹、と読んでいるものは、実は世界樹の、根、なのよ」
「あー、天使は飛べるから、それでも不自由しないんだ。
いいなぁ、俺も飛びたいなぁ…、
あれ、俺、飛んだよね!」
チェコは気づいた。
「天空の空島に行けるかも!」
「残念だねチェコ。
スペルでは発動地から八六、七メートルまでしか飛べないんだよ。
スペルで飛ぶのは、翼をもって飛ぶのとは違うんだ」
とタッカーが教えた。
ぬー、とチェコは唸った。
「じゃあ光のカードで天使があるのは、何故なんだろう?」
「ああいうのは、地上に天使に、降りてきて貰うのかな」
ほぅ、とチェコは感心した。
「白の天使は確かに強いけど、その代わりアースが多くかかるのよ。
それより、小さなアースで、敵を早く叩くべきだわ」
ミカは自説を展開する。
「確かにね。
遅くなればなるほど、相手も妨害カードを出してくるしね」
タッカーは頷く。
「一ターンで形を作り、後は攻めるだけさ」
タッカーは、自分の、霧、デッキを考えているらしかった。
う~ん、
チェコは、どちらかというと、遅いデッキだ。
動きやすくする工夫か必要かもしれなかった。




