ダークミスリル
仕事と旅行が重なって、しばらく書けませんでした。
今日から再開します。
宜しくお願いいたします。
巨大な剣は、眩しい高山の太陽光線を浴びて、鈍く、黒々と光っていた。
どうもチェコには見知らぬ金属で出来ているようだ。
「あれ…。
鉄じゃないよね」
チェコはダリアを手伝って錬金の仕事をしていたが、リコ村での錬金術師の仕事は、殆んど鍛冶屋と変わらなかった。
「あれはダークミスリルかな。
ミスリルの合金の一つで、とてつもなく固いので有名かな」
ウェンウエイが教えた。
「おいおい。
ダークミスリルなんて、ほんの何グラムとかでもウン千リンの値がつく、って奴だろ。
あの巨大さじゃあ、ちょっとした国家予算になっちまうんじゃねぇのか?」
タフタが呟く。
「しかしゴロタを倒すつもりなら、あれぐらいは必要ね。
なにしろマグマでは、鉄も溶けてしまうわ」
キャサリーンは言う。
「でも…。
スペルは使えないハズじゃあ…」
チェコは言うが、タッカーが。
「アイテムは出せるんだよ。
スペルとは発動魔法の違いがあって、アイテムは自分の体の近くならば、山でも海でも、狂いなく出るように工夫されているんだ。
値が高いから使わないけど、熱々のスープとかも携帯食に出来るしね」
「そうなの!」
「その分、割高なんだけどね。
ダークミスリルなんて、どれだけ高価か想像もできないよ」
「いくら戦争屋だって、ゴロタを殺す以外に、あんな馬鹿みたいな刃物、何に使うって言うんだ?」
タフタは毒づく。
「奴は火炎谷のドラゴンを殺しているし、その手の怪物殺しには、あーゆうのもなかなか重宝しそうね。
それに、船を沈めるとか、町の上空に浮かべるとか、脅しにしろ、あの手の判りやすいは奴は効果もてきめんなんじゃないかしら」
キャサリーンは吐き捨てた。




