属性変化
「スペルバトルでは、再生する召喚獣を殺す方法、とかあったよね?」
「うん。
再生している最中を狙いアース切れを起こさす、とか、そもそも再生出来ないスペル、とかもあるしね」
タッカーはスラスラ答える。
「赤のスペルならば、一般的には禁呪、が有名ね。
再生出来ない五のダメージを与える」
キャサリーンも言う。
「そんなものでゴロタは殺せない」
ヒヨウは、ムキになり始めていた。
「その手のオリジナルスペルを組むのは、さほど難しい事じゃ無いのよ、製作者としては。
フォーマットはもうあるのだから。
ただ作っても、コストと見会わないと売れないだけ。
軍事スペルであれば、別に七八アースの火炎スペルを作るなんて容易いことよ」
ネルロプァの上に沈黙が満ちた。
ゴロタは、しかし前足でヒドラを殴りつける。
ヒドラはぐらつくが、頭を押さえる事は止めない。
一方、ゴロタの前足は、軽く燃えていた。
「マグマ弾はヒドラに喰われちまうし、素手の攻撃もあれじゃあなぁ…」
タフタも唸った。
と、ゴロタの背の二匹の蛇のプラズム体が、異様に光った。
「何?」
チェコは叫ぶ。
「属性変化だ。
ゴロタのプラズム体は、別にマグマであるだけではない。
主の意思で、自由に変えられるのだ」
ヒヨウが言うなか、プラズム体は水晶のように透明な煌めく姿に変わっていった。
異変を察知したヒドラは飛び下がるが、そのヒドラに、どうやら水が放たれた。
爆発的な水蒸気が、辺りに立ち込めた。
「ヒドラは水に弱い。
この分なら大きなダメージが…」
ヒヨウは語った。




