表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スペルランカー  作者: 六青ゆーせー
332/688

ドラゴン殺し

爆発したゴロタの黒焦げの頭から、マントで身を隠したプルートゥが現れた。

自身もあちこち黒焦げだったが、みるみるうちに治っていく。


だが…。


プルートゥの背後のごロタもまた、炸裂した巨大な頭が、何か煙に包まれているように見える。

目を凝らすと、どうも細い糸状のものが、空中を高速で動き回り、ゴロタの頭を修復している様子だった。


一瞬、激しかった戦いが、止まったかに見えたが。


プルートゥは、どうも、ゆっくり体を治し過ぎていたらしい。

ゴロタの背に伸びた二匹の緋色の蛇の一匹が、背後からプルートゥに素早く噛みついた。


プルートゥは、再び爆発した。


「ああっ!」


チェコは叫ぶ。

が、チェコを吊るしたヒヨウは、


「あの蛇はプラズム体という。

あれは、自身燃えるマグマなのだ。

ちゃちなスペルなど効かない」


確かに、一瞬は燃え上がったものの、哀れなプルートゥの二本の足が、ブラン、ブランとプラズム体の口でバラバラな角度に揺れていた。


「思ったより早く決着したようだな」


タフタも言った。


「ねぇ、それなら、さ…」


タッカーは己の希望で、顔色が輝いていく。


が…。


プラズム体の蛇の頭が、べり、と裂けた。

そこから、黒いマントに包まれたプルートゥが現れ、皆は言葉を失った。


「いったい、あのマントは何だよ…」


タフタも呆然と呟いた。


「たぶん火炎谷のドラゴンの皮でしょうね。

十数年前、一匹、長老クラスのドラゴンが殺され、頭を持ち去られた。

ドラゴンは皆、ドラゴンを殺した者の匂いを永遠に覚えているのだから、馬鹿な奴もいたものだ、ぐらいにしか思わなかったのだけど…。

ドラゴンの頭の皮は、一番熱に強い所よ。

まさか、あいつが犯人とは思わなかったわ」


キャサリーンは、いつになく冷静に告げた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ