表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スペルランカー  作者: 六青ゆーせー
275/688

ウサギ三点セット

「ええっ、そうなの!」


チェコは、逆に喰いついた。


「俺も見たいなぁ!」


「馬鹿…!」


パトスが、チェコの太ももに噛み付いた。


「そんな物を見たら…、それこそ山に、魅入られる…。

そういう物が見えて…、それでも正しく生きるには…、エルフように子供の頃から大変な修行を積む必要がある…」


パトスに叱られているチェコを見て、タフタも微かに笑った。


「えー、俺じゃあ、年寄り過ぎてるの?」


チェコは、噛まれた腿を擦りながら、嘆いた。


「エルフの友達がいるのなら、エルフに聞いてみるんだな。

だが今は、俺たちもいるんだ。

そうゆう奴を見ちまうなんて、御免こうむるぜ」


タフタの言葉に、チェコは喜色を弾けさせ、


「あ、そうか、

ヒヨウに聞けば良いんだ!」


呑気に笑っているチェコを、危なげな目でタフタは見た。


資質は有るのだろうが、心がちょっと幼いのか…。

本当に、女王の言うような子供なのだろうか…?


当のチェコは、キャサリーンに自分の新しいデッキを見せ始めていた。


「ふーん、エルメターレの岩石と多産の女王のコンボぉ?

チェコ君、とことんウサギ好きよねぇ」


「山津波で流れちゃったデッキには、ウサギ三点セットも、ウサギの巣穴も、ウサギのチャンプもいたのになぁ…」


「あら、あんなオモチャなら、まだあるけど使う?」


キャサリーンは、担いでいる巨大な荷物からファイルを取り出した。

ウサギ三点セットとウサギの巣穴がある。


「チャンプは残念だけど、あの草原に、どうせ本人がいるんだから、またパトスに話してもらえばいいじゃない」


大喜びのチェコの前で、タフタは足を止めた。


「待て…。

あの、空を飛んでいやがるのは、まさか…」


巨大な、首の無い鳥が、しかも十匹以上、餌もないはずの高山の上空に集まっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ