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スペルランカー  作者: 六青ゆーせー
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遠吠え

不思議そうに周りを見回すチェコに、ウェンウェイが教える。


「少しづつ針葉樹も疎らになって、いたかな。

そして、背も低くなってきたかな。

星が見えたのは、そのせいかな。

今は、もう、こういった灌木や草しか生えないかな。

森林限界と言うかな」


「寒いから?」


「そうかな。

それに標高が上がると、空気が薄くなるので、大きな木は生命を維持出来ないかな。

今が昼なら、この撫子の赤紫の花もよく見えるのに、少し残念かな」


足元に、小さな赤い花が咲いていた。


ポツンポツンと、窪地を選ぶように、赤い花は、よく咲いていた。


だが、道はだんだん、岩が多くなり、山の南に向かって、急な登り坂になってくる。


「あまり急ぐと、空気が薄いのでバテるかな。

体を冷やさない程度に、歩き続けるかな」


ウェンウェイが、ペースを落とすよう言った頃。


ウォーン。


と、遠くから、狼のものらしい遠吠えが聞こえた。


「おかしいかな…。

用心するかな…。

こんな標高の高い所に、狼が来るわけは無いかな!」


周囲を見回すウェンウェイと共に、チェコも忙しなく回りに目を走らせた。


と。


「おぅーい!」


急に、チェコは叫ぶと、更に、指で輪を作って、ピィィー、と指笛を吹く。


それに、呼応するように。


アォーン。


高い遠吠えが聴こえた。


「やっぱり!」


チェコは、飛び上がって喜んだ。


「ウェンウェイさん、パトスだよ。

それにきっと、キャサリーンねぇちゃんも!」


チェコの顔が、喜びに輝いた。

旅行のため、しばらくお休みします。

たぶん来週の日曜日から再開します。

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