ウェンウェイ
チェコは真っ暗闇の中を、猛スピードで飛んでいた。
昨日は、ほぼヒヨウの背中にくっついて歩いただけだったが、それでもランプが必要だった。
しかし、今は、りぃんが体に憑いているため、周りは、影絵のように黒く、森が見えていた。
その、舞うように森を飛ぶチェコの背後から、ダンタンと激しい足音を響かせて陰狼が、四歩足で走っていた。
「、、チェコ、、そこを左よ、、」
ちさが的確に案内をしてくれている。
チェコは、最大加速で木の枝を回った。
ブン、と大きく横へ振り切れながら、髪の長さを短くして、最短で森の中を曲がった。
もし、少しでも陰狼が追い付いて来ると、またブーフが召喚獣を出すかもしれない。
その射程に入る訳には、いかなかった。
「、、すぐ、、そこの木の下に…」
ちさが言うが…。
チェコは、地面に降りようとして、あっ! と叫んでいた。
ウェンウェイさんは、魔方陣を書いていた。
凄い見事な出来映えだ。
しかし…。
ウェンウェイさんは、骸骨の群れに取り囲まれていた。
ウェンウェイさん側には、黒猫三匹と、磔刑の魔女が、骸骨と睨み合っていた。
「くそぅ、ブーフの奴!
こっちも、ハンザキを召喚だ!」
チェコは、吠えた。




