表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スペルランカー  作者: 六青ゆーせー
247/688

聖なる炎

「、、チェコ、、念のため、、木の枝には近づかない方がいいわ、、」


ちさは注意する。

が、周囲は一面の森であり、ゴロタの森のような密林とは違ったが、特に上空は針葉樹の枝が生い茂っている。

枝に近づかない、となると、チェコの通るルートは、ずいぶんと限られる事になる。


「ぬぅ…!」


チェコは、怒気を込めて唸った。


枝を避けて飛んだチェコに、不意に、巨体な手が襲いかかった。

ブーフの指図だろう、陰狼は、チェコの飛ぶルートに待ち構える戦術に切り替えていた。


チェコは、全ての髪の毛を手解き、自由落下した。

髪を伸ばしたまま、なので、切ったときより、チェコは滑空して落ちていく。


陰狼の目の前を、ふわり、と横切り、もう片方の手が現れたのを見てから、上に髪を伸ばした。


髪の毛は、くるん、と枝に巻き付き、チェコが、くん、と浮かび上がると、陰狼の指先を蹴って、頭上に飛び上がっていく。


が…。


「バカめ、お前はもう、詰んで、るんだよ」


チェコの頭上に、ブーフが現れた。

手には、どこから持ち出したものか、短刀を持っていた。

銀の鋭利な輝きが、闇に、ギラリ、と刺さった。


「雷!」


チェコは、必死にスペルを発動させた。


ギャハハ、と殺し屋ピエロが、ヒステリックに笑った。


「頭、悪いなお前!

僕に、そういうのは効かないって言っただろ!」


爆笑するブーフの顔を掠めて、雷は上空に立ち登っていく。


「なっ…」


ブーフが、言葉を失った。


ブーフの真上の木の枝が、爆ぜていた。


はっ、と見上げたブーフの体に、燃えた木の枝が落ちて来る。


「喰らえ、聖なる炎!」


チェコは、コニャックをブーフに吹きかけた。


ごぅ!


ブーフが、燃え上がった。


ギャア、という叫びを背に、チェコは森を進んでいく。


「ウェンウェイさんのところに急ぐよ!」


チェコは、叫んでいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ