242/688
決着
負債の天使ガルムの手が、五本の、長い指を伸ばして、チェコに迫ってくる。
チェコは、その指に向かって、真っ直ぐ進んでいく!
エクメルの暗黒波は、ガルムの胸に突き刺さった。
チェコの雷は、少し上、ガルムの顔に当たった。
ガルムは、痛がったのか、顔を背けて、ギィ、と鳴いた。
そこに。
チェコは、瞬間、自分の髪を引いて、ガルムの指を避けた。
ガルムのシワだらけの顔面が迫ってくる。
チェコは、コニャックの炎を、吹きかけた。
ドンッ、
本当のところ、何が効いたのか判らなかったが。
闇よりも黒い、天使の体が、内側から、弾けた。
ガルムは、無数の黒い球体になって、飛び散った。
「くそぅ!
やりやがったな!」
ブーフが怒鳴った。
が、チェコは髪を切り、さっさと落下して、ちさの元にむかう。
「奴が追って来たら、そのまま魔法陣で封印しちゃおう!」
チェコは、闇に髪を伸ばしながら、ニンマリ呟いていた。
ちさは、森の木の枝に登っていた。
「チェコ、、ウェンウェイさん、、足の骨を折っていた、、」
ええっ!
チェコは、驚愕して叫んだ。




