表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スペルランカー  作者: 六青ゆーせー
240/688

チェコは、あちこちに伸ばしていた髪の毛を元に戻し、頭頂部の髪のみを前方の木に巻き付けて、一気に加速した。


闇に、彗星のように、松の炎が赤くたなびいていく。


「行ッけぃ!」


チェコは叫ぶ。


が、負債の天使は、巨体で機敏に振り向いた。

同時に、手を伸ばして来る。


「やはり罠である!」


エクメルが叫んだ。

そして、チェコも叫んでいた。


「二つ頭!」


二つ頭のスペルは、防御で使うとき、敵に幻の分身を攻撃させる。

負債の天使が伸ばした手の斜め横に、チェコは飛び出した。


「喰らえ!」


コニャックを、ぶっ、と口から吹き、松の火で、火炎にした。


闇に数メートルの炎が吹き上がり、


ぎゃあ!


と、負債の天使ガルムは叫び、チェコから遠ざかった。


が、それ以上の変化はない。


「やはり、只の民間伝承に過ぎなかったのである」


エクメルは勝ち誇った。


「なんだよ!

エクメル、何で暗黒波を撃たなかったの!」


チェコは怒鳴るが、エクメルは、


「もし通用しなかったらエネルギーの無駄だからである」


平然と反論した。


ウキーッ!


とチェコは吠え、


「自分は、確か、叫んでる間に撃て、とか言ってたでしょ!」


と叫んだが…。


「チェコ、アソコニ…」


りぃんが指差す、遥か先には、ちさがピョンピョン跳び跳ねていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ