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爆発
「やばっ、真っ直ぐに、こっちに来るよ!」
りぃんは考え、
「奴ガ、ボクタチノ居ル位置ガ、本当ニ判ッテイルノカ、試シテミヨウ!」
チェコは、静かに髪の毛を伸ばし、闇の中を移動した。
そして、耳をすます。
ドーン、ドーン。
音が、横に反れて行く。
「あれ、判って無いのかな?」
「ボクタチノ逃ゲタ方向ニ、向カッテイルダケ」
チェコとりぃんは、クスクス笑う。
「コンドハ、ドウスル?」
「泥水かな…、いや、おしっこか?」
りぃんは、ケタケタと笑った。
「ソウダ!
奴ハ今、蜂蜜デべとべと!
枯葉ヲ、ブッツケヨウ!」
あっ、とチェコは閃く。
「炭爆弾を作ろう!
炭を固めて、回りは葉っぱでくるんで…。
ああ、そうか、針葉樹の森だから駄目か…」
「葉ッパ、アルヨ。
草ガ生エテルトコロ、知ッテル!」
「本当!」
チェコとりぃんが、勇んで移動した瞬間。
ドゥン!
紅蓮の炎が巻き上がり、チェコたちがいた木が、松明のように、爆発し、燃え上がった。
「小僧!
死ぬ準備は整ったか?」
ブーフは、上空から、チェコたちを見下ろし、ニタニタと笑っていた。




