表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スペルランカー  作者: 六青ゆーせー
229/688

陰狼の本気

なにっ! とブーフが叫んだ。


短く、雑に、ダリヤ爺さんに切り揃えられたチェコの髪は、突然、八方に伸び広がると木の枝に巻き付き、チェコは飛んだ。


「アハハ。

魂を売って、その程度かい、どじブーフ!

気取ってるだけで、とんだ無能だね!」


闇の中から、チェコが嘲る声が響いてくる。


「糞ッ、あの餓鬼めが!

ブチ殺してやる!」


ブーフは、薄く輝くと、空中に浮いた。


そして、


「早く立ち上がれ、トンマな陰狼め!


判ってんだろうな、もし主命をしくじるような事があれば、僕は、闇の天使ドルェヴァを呼び出して、魂の器を変える。

そうなったら、陰狼。

お前など、その辺の夜の子供と変わらない存在に落ちるのだからな!」


陰狼が、ぐうぅ、と唸って、立ち上がった。


と、同時に。


今まで二足歩行していた陰狼は、前足をつき、獣のように走り出した。


チェコは、もみの木の、かなり上の枝に登っていたが、陰狼が走るのは見えていた。


「やばっ!

奴が本気になった!」


「ダイジョウブ、

狼ハ、木ニ登レナイ」


りぃん、が笑った。


が…。


ドスン!


とチェコの登った大木が、陰狼に体当たりされると、あっさりと軋みながら傾いていく。


「うわぁ!」


チェコは、闇の中に落ちていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ