ネンネ
チェコは、えっ、と驚き、
「俺、魔法陣って書けるかな?」
「ビジョンを見せることは出来るが、専門知識が無ければ、実際に魔方陣を書くのは難しいであろう」
エクメルは言う。
「えっと、じゃあ、あの殺し屋ピエロの契約書を壊す?」
「、、たぶん、、隠してあると、、思う、、。
すぐに壊されるようには、、持っていないわ、、」
ちさが言った。
「え、じゃあ、あの陰狼より強い魔物を呼ぶ?」
「たぶん、、山女でも、、陰狼には勝てない、、。
もし、近くで、、いるとすれば、、片牙ぐらい、、」
チェコは、叫んだ。
「冗談じゃないよ!
片牙なんて呼んだら、それこそ皆殺しだよ!」
片牙は、それ程、恐ろしいバケモノだった。
赤竜山の怪物なので、黒龍山では、ほぼ安全なはずだったが、あれは…、出あったら最後、死、以外の結末は残っていない。
チェコは、唸った。が…。
「俺、とにかく、ウェンウェイさんを助けなきゃ!」
言うと、チェコは、木の枝を蹴り、大きく飛び降りると、そのまま走った。
「くそブーフ!
ウェンウェイさんを離せ!」
チェコは、走りながら、叫ぶ。
陰狼が、チェコを見下ろした。
殺し屋ピエロ、ブーフは、爆笑した。
「ギャハハハ。
なんだ、この小僧。
本物の恐ろしさ、って奴を知らないネンネちゃんなのか?」
腹を抱えて笑い。
「陰狼、踏み潰せ!」
殺し屋ピエロ、ブーフは、叫んでいた。




