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最初の星
空はゆっくりと、青が深くなっていく。
最初の星が、チカり、と夕暮れ空に、白く、輝いた。
空を浄化の炎で焼いた夕陽も、やがて透き通った藍色に、柔らかく包まれていくようだった。
「そろそろ夕飯にするかな」
ウェンウェイは言った。
大きなハムを切り取って、水を張った鍋に入れ、玉ねぎやオクラや丸イモを入れる。
「野菜も沢山あるんだねぇ」
チェコは驚く。
「もう少し下に、畑も持っているかな。
そこで自分で作っているかな」
自慢げに、ウェンウェイは話す。
鍋とは別に、丸イモを木の枝に差し、火の傍で焼く。
どうも丸イモが主食らしい。
周囲に、美味しそうな香りが広がっていく。
そして…。
杉の大木の枝に座り込んでいた、それ、が、ひくり、と鼻を動かせた。
「…食事…の…ニオイ…」
それは、少年のような姿をしていたが、禍々しいまでに、黒い姿をしていた。
12月の初めまで、少しの間、お休みをします。
試験のようなものが、あるのです。
申し訳ありません…。




