一緒に登ろう
「四里の吊り橋~!」
チェコは叫び、まろびとは、大声を出すな、とチェコを制した。
「だって、あそこは、この山の頂上、赤竜山に向かう橋だよ!
あんな所にカードなんて…!」
チェコは、勢いづいて囁いた。
「詳しくは言えないかな。
だけど、ほぼ間違い無いかな。
お前、エルフと友達なら、四里の吊り橋まで行かない、かな?」
チェコもまろびとに顔を近づけて、
「そりゃ、ここまで登ったんだから、もちろん行くけど、でも、あそこで探し物なんて出来っこないよ。
なにしろ、太古に鬼が作った、人には真似できない魔法の橋なんだから…」
「平気かな。
場所の見当も、およそついているかな」
まろびとは頷き、
「願いがあるかな…。
俺を、四里の吊り橋まで連れて行って欲しい、かな」
チェコとちさは、顔を見合わせた。
「…でも、とっても危険だよ、
俺だって、自分の命を守るのが精一杯だし…」
「俺は、こう見えても、剣も免許皆伝の腕前、それにスペルランカーでもある、かな…。
ただ、ここより上は猟師も行かない場所、とても一人ではいけなかったかな!」
チェコは困惑し、ちさに聞いた。
「どうする、ちさちゃん?」
ちさも、頭を捻っている。
「ヒヨウに会うまで、、あと一歩、、でも、、この上は、、自然環境すら人間の敵…。
まろびとの知識、役に立つかもしれない、、」
ちさが言うと…。
「ん、
ちさちゃんが言うなら、いいよ、まろびとさん、一緒に登ろっか」
即決するチェコに、ちさは呟いた。
「少し、、悩む、、とか覚えた方がいい、、チェコ…」