地形選択
「へー、水地形にすると、普通二十秒で消えるアースが、三十秒持つようになるんだ…」
こいつ、初めて知ったのか…!
とミカは、愕然とチェコを見たが、
「水地形は止めておいた方がいいわよ。
飛行系の召喚獣に弱いし、敵が青だったら目も当てられないわ」
確かに六っつの属性には、青、つまり水性生物中心の属性もある。
「あ、確かミカさんも?」
オホホ、とミカは高笑いし。
「そうよ。
チェコが水地形になんかしたら、あんた一瞬で殺すわよ」
地形は、どんな地形を選んだにせよ、ただ有利になる、と言うことは無い。
黒だから、冥府の地形などにすると、冥府地形側にだけダメージを与える、などのカウンターカードが、必ず存在していた。
なので、地形選択をするスペルランカーは、ほとんどいなかった。
「水地形は、電気や毒にも極端に弱いのよ」
うーん。
虫系召喚獣が寒冷地に弱いように、偏ったデッキは特定の攻撃に弱くなる。
「だからダメージを受けようが、早く相手を倒した方が強いのよ」
ふふん、とミカは誇った。
確かに、早く、強い召喚獣を出し、また相手のカードを封印するミカのデッキは強く、チェコは偶然勝てたに過ぎなかった。
「小難しくコンボを狙うより、とにかく早く有利に戦う方が強いのよ」
「そうだね、
今すぐ、良いコンボなんて思いつかないし…」
チェコは召喚獣と、支援スペルを中心に、デッキを組み立てることにした。