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再生
ハンザキは、元々飢えていたので、夢中で召喚獣に噛みついた。
果たして、召喚獣が食糧に値するものなのか、どうか判らなかったが、少なくとも代替行為として、ある程度の意味をハンザキは感じたらしく。
バリバリ、と音をたてて、ハンザキは召喚獣を切り裂いていく。
召喚獣でも、ハンザキはハンザキなので、二つに裂けたまま召喚獣は生きていた。
チェコは叫んだ。
「再生、ハンザキ一号。
そして、ハンザキ二号も再生!」
「え、、」
ちさが、チェコの肩の上で、首を傾げる。
が…。
ハンザキの目の前で、召喚獣は二体となり、それぞれが七/七の召喚獣としてハンザキに襲いかかった。
いかに生命体としての利が、ハンザキにあったとしても、自分と体力的に同等の物を二体、相手にするのは難しい。
そして、ハンザキは野性動物としての知恵ももっていた。
ギイィ、と憐れな声で鳴くと、ハンザキは一目散に背を向け、敗走した。
「よし!
作戦通りだ!」
チェコは、手を打って喜んだ。
ちさは、…ほぅ…、と大きく息を吐き…。
「チェコ、、バカだけど、、戦いは上手、、」
と、呟いた。