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妖精殺し
「よ…妖精殺し!
まさか、そんな大罪を犯そうとするなんて!」
チェコたちが住む、神から与えられた聖なる大地ラドムには、アースが溢れ、人々もアースの恩恵を得て生活が成り立っている。
人々は、日々、アースを当たり前のように使用するが、神話が教えるところでは、アースをスペルとして使う技術を人間にもたらしたのは天使であり、妖精とは、天使の末席に名を連ねる、地上における天使であった。
妖精殺し、とは、つまり天使を殺すことであり、極論を言えば、神殺し、ということでもあった。
そのようなことが、もし現実に行われてしまったなら、どんな神罰が人間に下されるのか、想像もできない。
「な…、なぁ、パトス。
おねーちゃんに協力しようよ」
「とにかく…、村…行き…、大人…知らせる」
「まぁ、ありがとう、チェコ君、パトス君」
キャサリーンは、チェコはハグした。
チェコは真っ赤になるが…。
「それでさ、おねーちゃん。
カードくれるって言ったじゃない?」