約束
「ヒヨウ!
方向が判るの?
俺も一緒に行くよ!」
チェコは、ヒヨウの方向に泳ぎ出したが、ヒヨウが止めた。
「駄目だ、チェコ。
状況は、お前が思うより、ずっと悪い。
お前は、先に一人で渓流を登ってくれ」
えっ、でも!
と、チェコが叫ぶが、ちさが、
「チェコ、、ヒヨウを、、信じて、、、
チェコが、危険では、、ヒヨウ、
体、一つで二人は救えない、、。
チェコは、、自分で、自分を守れば、、皆が、助かる、、」
チェコは、息を飲んだ。
そう…、タッカー兄ちゃんをヒヨウが助けるためには、俺は一人で行かなきゃならないんだ…。
「判ったよ、ヒヨウ。
タッカー兄ちゃんを頼んだよ!」
ヒヨウは、沼の流れの上で、上になり下になり、ながら手を振った。
「心得た。
チェコ、イヌワシ峠で待っていろ。
必ず、タッカーを連れて行く」
いうと、ヒヨウは滑るように泳ぎ出した。
「速っー。
すごい泳ぎだなぁ、ヒヨウは…」
「エルフ、は…、森の戦士…、全ての技に、、通じている、、」
「そうだね」
と、チェコは、頷いた。
「ヒヨウなら、きっとタッカー兄ちゃんを助けてくれるよね」
きっと、、、ちさは言う。
チェコは、岸に向かって泳ぎ出した。