表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スペルランカー  作者: 六青ゆーせー
152/688

石の墓地

不意に、土の中から、大木より数倍でかい巨石が突き出している。

岩は、まるで巨人の墓石のように角ばって、深く苔むしていた。


西側斜面よりも、いつの間にか湿度が高くなっており、苔が、木々の幹や、地面のあちらこちらから突き出し始めた岩の表面を、びっしりと覆っていた。


正午の日差しは完全に遮られて、ランタンを点けたいような薄暗さの中、重く淀んだ空気が鼻腔を塞ぐのか、なんだか息が苦しいようだ。


「石の墓地かぁ…」


タッカーは、不安げに周囲を見回す。


「なにか出そうな雰囲気だよねぇ…

ここ、大丈夫なの?」


「昼は、大丈夫だ」


集めた枯れ枝で火を起こしながら、ヒヨウは平然と言った。


「夜は、通らないことだ」


タッカーは、やや青ざめた。


「ええっ、と。

夜は、どうなってしまうの?」


「この辺りは、夜は山女の住み処となるので、とても恐ろしい目に会うと言うな…。

今は平気だ」


淡々とヒヨウは語った。

山女の恐怖については、嬉々としてチェコがタッカーに教えた。


「凄い足音なんだよ!」


ちさも、


「やま、お、んな、、とても、危険…」


と、口を添える。

そうしている間に、ヒヨウは持参の鍋で米を炊いていた。

チェコが昨日釣った虹カマスの切り身や蛇の干物も、鍋の横で焼かれていた。


タッカーが恐々と森を見回す中、食事が出来上がろうとしていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ