波長
きゃあ、とタッカーは、女の子のような悲鳴を上げ、
「秘密にしてよ。
絶対、秘密だからね!」
必死に言ったが、チェコはゲラゲラ笑って、
「タッカー兄ちゃん!
それ、面白すぎ!」
涙を流すほどに笑い転げた。
爆笑しているチェコから隠れて、タッカーはいそいそと衣服をまとい、
「もう!
いつまでも笑ってないでよ。
人の、そういう事を笑うのは失礼なんだよ」
チェコは、ヒーヒー言いながら、ごめんなさい、と喘ぐように言うが。
「まぁ、自分の蒔いた種なんだから、タッカーも怒るな。
チェコも、タッカーに嫌われてしまうぞ」
自分も笑っていたヒヨウが言う。
「ともかく、皆、起きたことだし、石の墓地まですぐそこだ。
歩きながら枯れ枝を拾って、食事にしよう。
食べなければ持たないからな」
言うと、歩き始めた。
自分で言った通りに、枯れ枝を拾いながらゆっくりと進む。
タッカーとチェコも同じようにするが、
「ねぇ、タッカー兄ちゃん、
ごめんね。怒らないでね…」
タッカーは笑い、
「怒らないよ。
でも、チェコ、君はそれを付けてて、全然平気なの?」
タッカーは、自分を襲った苦痛を思い出していた。
体中から、何かが吸い上げられるような、今まで味わったことのない苦しみだった。
「ん。
俺は全然平気だよ。
むしろ、元気が出る気がする!」
ヒヨウが…。
「それはチェコのために、女王が用意した魔法アイテムだ。
タッカーには、波長が合っていないんだ…」
だが心の中では…。
アルギンバの波長か…、と考えていた。