表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スペルランカー  作者: 六青ゆーせー
148/688

スペルランカー

「西側斜面を、たった半刻で登りきれるとはな。

上出来だぞ、タッカー。

ゆっくり休んでくれ」


ヒヨウは、タッカーの足をマッサージしながら、褒めた。


「上出来はいいけど…。

身体中ボロボロだよ…」


タッカーは、草の上に、着ていたコートを敷いて、うつ伏せに寝転んでいた。


いつの間にか、森の喧騒も収まったようだ。

結局、何がどうしたのかは判らないが、調べに戻るような体力もない。


チェコも、見よう見真似で、タッカーの腕をマッサージする。


「ヘヘヘ…。

頂上へ駆け上がったときの、タッカー兄ちゃんの顔、面白かったなぁ…」


タッカーは泣きべそをかきながら、必死に蔓草を切り、大慌てで木にしがみついて、何とか転落を免れた。


チェコはケラケラ笑うが、ちさはチェコを嗜める。


「チェコ、、一生懸命の、、事を、、、笑っちゃ、、可哀想、、」


タッカーは、いいよいいよ、と、溜め息をつく。


「僕って、子供の頃からそうなのさ…。

一生懸命やっているのに、何か人に笑われちゃうんだ。


でも、そこでカチンときて争う無意味さを、僕はシスターに教わったんだ。

一緒に笑えば、皆と友達になれるんだ、って」


「へー、シスターって、教会の人?」


チェコが聞くとタッカーは笑った。


「僕、学校は、教会系の学校に行ったんだ。

シスターは、とても良くしてくれたよ…。

だから僕は、シスターに恥だけはかかせないよう、スペルランカーを目指しているんだ」


へへっ、とタッカーは笑い、


「シスター、アザヘルは…」


言いながら、タッカーは眠ってしまった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ