分岐点
ランプをかざすと、洞窟は天然の岩の裂け目のようで、かなり起伏は激しかったが、奥まで続いているようだった。
「よーし、行ってみよう!」
チェコは張り切って先頭を進む。
後にタッカーが、おぼつかない足取りで続き、ヒヨウは井戸の秘密が露見しそうな跡がないか目を光らせ、石の扉を元通りに閉めた。
しばらく、岩をよじ登る勾配が続き、それから前方を大岩が塞いでいるらしく、岩を回り込むように右に曲がりながら、下り傾斜を進んでいく。
やがて、道は大岩と、大岩に寄りかかるように傾いた巨岩の隙間、数十センチを潜る、狭い通路に行き当たってしまった。
「うわぁ…、これって、どっか道を間違えたのかな?」
タッカーは言うが、チェコは、
「大丈夫、大丈夫。
風が通ってるから」
と指を舐め、人差し指を立ててみせた。
確かに、見た目は狭そうだったが、通ってみると、チェコほど小柄でなくとも、よほどの肥満でない限りは通れる道だった。
だが、しばらく歩くと…。
目の前に巨大な岩が塞がり、そこから左右、二本の道が、一本は上りに、一本は下りに続いている場所に出てしまった。
「ありゃ…、これじゃあ、どっちか分からないねぇ」
タッカーは困惑していった。
三人は、立ち止まらざるを得なかった。




