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あいうぉんととぅーびーあ ニンゲン!  作者: 今はまだ保留でお願いします
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名前を決めた

とりあえず体操服を着させ、夕飯にする。


「こんなもんしかないけど、いい?」


夏村がY‐09に差し出したのは、あんまんだった。


「……?」


Y‐09が首を傾げる。


「あ、にくまんがよかった? 交換する?」


「……?」


しかし、Y‐09の首はどんどんまがっていく。


「ど、どうした?」


「コレ、ナニデスカ?」


あんまんを指差して言った。


「あんまんだよ。中にあんこが入ってんの」


「ウンコ?」


「違う!」


さらっとすごいことを言うロボットだ。


「ゴシュジンサマノ、ナニデスカ? オナジ、デスカ?」


今度はにくまんを差した。


「こっちはにくまん。中に肉が入ってるやつ。にくまんがよかった?」


「ゴシュジンサマハ、ナニガイイ、デスカ?」


「私はにくまんが好きだから、にくまんがいいかな」


「ジャア、ワタシ、アンマンガイイ、デス!」


「そっか、じゃあ、いただきます!」


にくまんを一口かじると、口じゅうに肉汁が広がる。


「ゴシュジンサマ」


「ふぁーひー?」


なーにー、と言ったつもりが、口ににくまんがあるおかげで情けなくなった。


「イタダキマス、ハ、ナニデスカ?」


――いただきますを知らないって、嘘でしょ?


「いただきます、はね……」


――深く考えたことないな……


必死に脳の記憶をたどっても、夏村に答えはだせなかったので、


「ご飯の前に必ず言わなきゃいけないんだよ!」


と逃げた。


「ソウナンデスネ! デハワタシ、モ、イタダキマス!」


あんまんにかぶりつくY‐09の姿は、なんとも微笑ましい。


「アンマン、オイシイ、デス! ワタシ、アンマン、ダイスキ、ナリマシタ!」


「そうかい、そりゃよかったよ」


夏村もにくまんを頬張る。


ここで夏村にある考えが浮かんだ。


「あのふぁ……」


また情けない声がでたので、急いでにくまんを飲み込む。


「あのさ」


「ナニカ、ゴヨウデスカ?」


「あなた、あんまん好きなんでしょ?」


「ハイ! アンマン、タクサン、タベラレマス!」


とびきりの笑顔で言っているところを見ると、本当に気に入ったのだろう。


「じゃあ、あなたの名前はY‐09から、餡娘に変えよう!」


するとY‐09は嫌そうな顔をした。


「ジ、ムズカシイノハ、イヤデス。カンタンナ、ジ、シテクダサイ!」


「うーん……。じゃああん子は? ひらがなと漢字一文字で、簡単でしょ?」


ひらがな、という言葉に反応したY‐09は、


「デハ、コレカラ、ワタシ、あん子、デス!」


気に入ってくれたようだ。


「そう、三好あん子。ランドセルとリコーダーがあるってことは、学校に行けってことだと思うから、私の従姉妹ってことにしよう」


「ワタシ、三好あん子! ナマエ、ウレシイ!」


「あと、私のことゴシュジンサマって呼んじゃ駄目だからね」


「ドウシテデスカ?」


「だって、どんな関係?! って思われるでしょ? だから、私のことは夏村って呼ぶの」


「メイレイ、デスカ?」


「そう、命令」


「ワカリマシタ、ガンバリマス! ヨロシク、オネガイシマス、夏村サン!」


「さん付けなくても……いや、なんでもない。あ、ごちそうさまでした」


「ゴチソウサマデシタ、ハ、ナニデスカ? タベオワル、トキ、イウ、デスカ?」


「そうだよー。じゃ、風呂入ってくるね」


よっこいしょ、とは言わずに立ち上がり、風呂場へ向かうと、あとからあん子もついて来た。


「ワタシモ、ハイリマスー!」


――そういえば防水だったな


脱衣所に行き服を脱ぐ。


真似してあん子も服を脱ぐ。


下着も脱ぐと、あん子も脱いだ。


「キツクナクナリ、マシタ!」


飛び跳ねてよろこぶあん子。


――む、胸が揺れてるっ!


少し苛立ちながらも風呂場に入る。


「夏村サン、オフロ、ハジメテ、ナノデ、ワカリマセン」


「か、体を洗えと?! ……わかった」


まずは長髪を濡らし、シャンプーでわしゃわしゃと洗う。


「目、つぶっててよ? シャンプーが目に入ると痛いよ?」


「ワカリマシタ」


ぎゅっと目をつぶっている間に手早く洗う。


「髪綺麗だね」


「ドヤ!」


「目つぶってドヤ顔しないで、っていうか、ドヤ顔できるんだ」


「ドヤ!」


シャンプーを洗い流し、リンスをつける。


「オハナノ、ニオイ、シマス」


「こういう匂いのリンス使ってるんだよ」


リンスも洗い流し、いよいよ体を洗う。


――く、巨乳!


巨乳と格闘しながら、体を洗う。


「夏村サン、ムネ、チイサイ、デスネ」


「うるさい!」


――悔しい……っ!


「もういいでしょこれで。さ、洗い流しちゃうから目つぶって!」


あん子の体を綺麗にし、湯舟に浸からせる。


そのうちに、夏村自身の体も綺麗にする。


そして、


「夏村サン、ムネ……」


「黙っとけ!」


という会話を、9回繰り返したのだった。



☆★☆★☆



「サッパリ、デス!」


「よかったね」


髪を乾かし、布団の中での会話だ。


「明日から学校だからね。しっかり寝ないと」


「セイフク、キマスカ?」


「確か夏服があるから、それ着なよ」


「ハイ!」


「じゃ、おやすみ」


「オヤスミ、デス!」







夜中、夏村は眠れずにいた。


隣ではあん子が寝息をたてている。


――私、初めてのキスをあん子にあげちゃったの?!


――ロボットに取られるなんて……


――ロボットとキスとか……


キスについて考えすぎて、眠れぬ夜を過ごす夏村だった。



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