城に着いて
どうも、最近夜の12時まで起きれない十晴です。
「んあ、ふぁーよく寝た」
「あらぁ、もう着くわよ?」
「あれ、グラディス川の大橋は?」
グラディス川の大橋とは、王都に行く為に作られたでっかい橋で通るには検問所があり、有事の際は橋を崩し籠城する事が出来る。正に攻めるに堅く、護るに易い。ちなみにこの世界の絶景100選に選ばれるほど綺麗らしい。
超見たかった。
「綺麗だった?」
「うん。とっても綺麗だったわ」
クロア姉様…聞いときながら何ですが辛いです。
「え?私たち見てないよ!ねぇ、リリファ?」「あー、私たちあやとりしてたしね。リーザ」
良く馬車に乗りながら東京タワーまでやってのけましたね。
「船に乗って橋をくぐって見たいです。姉様」
超可愛い事言うなぁ。カフィネ、姉様は貴方の純粋さにメロメロよ。
「あれがリサトリス国の中心にして王城である、ハーディス城よ~」
「姉様、リサトリス国って言うのに、なぜリサトリス城じゃないの?」
「カフィネ、この国の守護神である女神様の名前は?」
「豊穣と湧き水を司っているメリティエ様ですよね?」
「女神様のフルネームがメリティエ・リサトリスなのよ」
良く知ってますね、クロア姉様。
「そのメリティエ様が守った下さっているから、リサトリスという言葉でその加護を忘れないようにしようって名づけたの」
「へぇー」
「着いたわよ~」
「カニ作ってないで降りますよ。リーザ姉様」
「待って、ここからほうき星に繋げて見たいの」
「待ちません」
くいくい、私のスカートをカフィネが軽く引っ張る。
「メアンリ姉様。…アーちゃんとルーちゃん。…持って来てないですか?」
「ちゃんと持って来てるわよ」
私の衣装は薄い青色のワンピースで肩掛けバッグを斜め掛けしている。
バッグから2体のうさぎのぬいぐるみを出す。臆病なカフィネの為に作ってやった奴でカフィネは大層気に入っている。大体、1日の半分は腕に抱えているし、絵本を読む時も、昼寝や夜寝る時も一緒に寝ている位気に入っている。ご飯の時まで持って来ようとした時は、シミになってはいけないとなだめて辞めさせた。
「わぁ、アーちゃん、ルーちゃんだぁ!」
くるくる回って喜ぶカフィネ。ちなみにカフィネの衣装はピンク色の子供用ドレス。
「お手玉やっていい?」 「トランプやっていい?」
「駄目です」
「「えー、ケチ」」
「…トランプなら」
「「やった!」」
ハモらないで。
双子の姉達の衣装はゴシック系です。ヘッドドレスで見分けがつきます。
腰に巻くポーチを付けてるからそん中に遊び道具入れてると推測する。
「やっぱり王城は大きいわね、なんか恥ずかしいな…」
クロア姉様下向いて恥じらう姿を殿方に見して御覧なさい。見惚れてしまいますよ。
ちなみにクロア姉様 は白のワンピースに 花柄をあしらってあり胸元には大きなリボンを付けて、ポニーテールをゆらしている。
「ギルジア~、ここよ~」
父様を見つけて手を振る母様。母様の衣装は胸元が開いているチャイナドレス。 8児の母なのに未だ体型を維持している。そのお胸のバミューダトライアングルが、バインバインと揺れていますよ?
バインバインは古いか?おっさんくさいか?
とりあえずコサージュを胸元に付けてやる。
「姉様、お菓子ちょうだい?」「開口一番がそれなの…ティア…」
バッグからクッキー、シュワシュワするアメ、色んな味のグミを渡す。グミを一つ口に放り込んでムグムグと、口を動かす。ティアの衣装はカラータキシードで 蝶ネクタイ。「姉様!王城のてっぺんまで行っていい?」
ピョンピョン跳ねながら聞いてくる。
「駄目に決まってるでしょ。フェルト」 「えー…」
ぶーぶー言わない。
「しょうがないな…ほら、手品道具よ」
「やったー!」
魔法はあるが、手品は無いので結構うけるんですよ。
魔法でやりゃいいじゃないかと思うがネタバラシを見せるとものすごく食いつく。
ネタバラシは魔法だとか言う人たちがいるかなと思い5つ見せたら1バラす。の割合でやる。フェルトは手品が得意でたまに教えた私すら知らない奴をやる。ハットから兎や鳩出した時はどうやってんの?と思ったねぇ。
フェルトの衣装はディレクタースーツ。 プラスさっき渡した手品道具のステッキとシルクハットを付けている。
「お、グラディス川見たか?メアンリ」
さらりとえぐらないで、アレク兄様。
「礼儀作法はいけますか?」
「おう、大丈夫だ!」
…なんか不安だなぁ。
アレク兄様の衣装はブラックスーツ。
「さて、そろそろ行くよ」
「父様、なんかありました?髪に羽が着いてますが」
「降りたら鳥に突っ込まれてしまって」
ヒッ●コックの鳥かよ。
父様の衣装はアレク兄様と同じブラックスーツだ。
「…まぁ、行きましょうか」
一癖も二癖もある家族です。