私が転生した訳
前のがそんなに進んでないのに作ってみると言う暴挙…アハハ 許してちょ?
(ナレーション):リサトリス国のシェルファーニ地方カルルハルン領地の領主家の四女、メアンリーネ・カルルハルンがこの物語の主人公、さぁ、はじまりはじまり~……「て、ちょっと待って、ナレーション。大事な事言い忘れてるわよ」
あっ、読んで下さっている読者の皆さんこんにちは、私はメアンリーネ・カルルハルンです。言い忘れてましたけど私転生者です。
前世では整体師で趣味は薬局で買った入浴剤をその日の夜に気分で選んでお風呂に入ってビールを飲んで寝ると言うお風呂しか女の部分出てないオッサンくさい女でした。
死んだ日も、薬局で入浴剤買って帰る所だったんだけど、途中で猫が車にひかれそうになって、それを助けて死ぬと言う 自分で言うのもなんだけど自己満足でどうしようもなく間抜けな死に方だった。
薄れていく意識の中で猫が悲しげににゃあと鳴いて私の意識は途絶えた。
次に起きたらとても大きなアクアリウムの中にいた。 「ここ、何処だろう」
「あ、お姉さん気がついた!」
白い服を来た少年が私の元に駆けてくる。
「ねえ、ここ、何処?君はだれ?」
「あぁ、ここは転生のアクアリウム。輪廻転生を待つ死者の魂の癒し場。そんでもって僕はこのアクアリウムの管理人だよ」 「輪廻転生って…私死んだんだよね?」「お姉さんにはどうしようもない過ちをしてしまったんだ。」
過ち…もしかすると 「君…あの時の猫?」
「うん…僕の軽率な行動のせいでお姉さんの人生を台無しにしてしまったんだ…」
その言葉をきいて私の中の色んな感情が混じり合う。それを責めたい気持ちや、もっと色んな事をしたかった事、親孝行してあげられなかったこと、それらよりも一番の感情は自己満足でやっているのになぜこの少年は謝っていることに。
涙が出る。悔しい。なんで謝るの。したいこといっぱいあったのに。格好悪い自己犠牲だったのに。 そんな感情が涙になって、叫びになって、理性なんて剥がれ落ちて、子供のように泣き喚くことしか出来なかった。 その間少年はただひたすらに謝り続けた。「ごめんなさい、ごめんなさい」
その言葉が私の胸を酷く締め付けた。
泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、叫んで、叫んで、叫んで、叫んで、1時間経ってようやく落ち着いた。
「元の世界には転生出来るの?」
「最低でも、他の世界で一回天寿を全うしないと戻れないよ」
「そうなんですか…」
「お姉さんには次の人生で前の記憶を残しておくね…」 「うん!湿っぽい空気やめやめ!女は度胸。あ、次の人生でも女でお願いします」
少年はきょとんとした顔を始めはしていたが徐々ににこやかな笑顔を見せてくれる。
「お姉さんにはもっとサービスするね♪」
「次の人生であなたに逢える?」
「お姉さんが望むなら行けるよ」 「なら、次あった時、この名前で呼んでちょーだい!」
(小百合)
その名前は前の名前 次の人生では、使えない。だけど、誰かに覚えておいてほしい。
「さぁ、この水槽の中に入って」 私の眼下には一面の水面が映っている。 水底には色んな光が泳いでいる。 「それじゃあ、またね」
トプン!
私は入った。
そして、私は生まれ変わった。メアンリーネ・カルルハルンとして。