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派遣、恋に落ちる  作者: 竹子


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第71話 : question

神城は、翠の震えが尋常ではないことに気づき、静かに言った。

「おいお前!目つむってろよ」

神城は、そのまま背中を向けて屈むと、翠は何も言わずに神城の背中にしがみついた。神城は、翠をおんぶして、暗闇のお化け屋敷を無言で進み始めた。

神城は、翠の、誰にも見せたことのない弱い一面を見て、一瞬だけ鼓動が速くなるのを感じた。(いや、駄目だ。俺には心に決めた人が……!)


そして、出口のわずかな光が見え、「ゴール」の文字が近づいてきたとき、神城は立ち止まった。

「そろそろ終わりだ。降りろ」

神城が声をかけると、翠はハッと我に返り、素早く神城の背中から飛び降りた。


ゴールに着くと、他の4人が待っていた。翠は、ゴールをくぐるやいなや、さっきまで泣いていたのが嘘のように、瞬時に泣き顔から怒り顔に切り替えていた。


その後、一行は昼ごはんを食べにエリア内のカフェテリアに入った。各自が何を食べるかブースを見て回っていると、神城は凛に手招きされた。

凛は、何かを確信したような、好奇心に満ちた目で神城に聞く。

「ねえねえ。翠、大丈夫だったー?」

「怖がってなかったっすよ。いつも通りの強気で」神城はそう答えた。

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「嘘だよね。神城くん」

「え?」

「翠がお化けを克服しているわけがないよ。きっと、神城くんと一緒だったからなんとかなったんだね」

凛は、少し寂しそうに笑って、その後も続けた。

「前に翠が言ってたんだよね……『私をいつも助けてくれるのは……』」

凛が何かを続けて言おうとした、その決定的な瞬間に、環奈に呼ばれた。

「おーい!凛ー!こっちにビールあるよー!」

「ちょっと待ってよ環奈ー、午後は絶叫のるんでしょー!」

凛は、神城に向かって「まあ後でね」と明るく言い残し、環奈の方へ走って行った。

神城の胸には、凛が何を言おうとしていたのかという疑問だけが残り続けた。

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