第67話 : reunion
神城は、父との和解の夜を経て、心身の疲労から深く眠っていた。
ふと目を覚ますと、なぜか部屋の中に、見知らぬ女の子が座っていた。
神城は、寝ぼけた頭で、いつもの恋の妄想が現実化したのかと思い、目を擦りながら、うっとりとした声でつぶやいた。
「あ、凛ちゃん……」
女の子は、神城を怪訝な表情で見つめ、口を開いた。
「もう……凛ちゃんってだあれ?」
ハッとして視線を合わせると、そこにいたのは、神城の地元の幼馴染、麻奈だった。
「おい!今67話だぞ!作者は96話で完結させようとしてるのに、今更新キャラとか何やってんだよ!」神城は気持ちよく寝てるところを起こされたことも相まって、怒りを込めて麻奈に詰め寄った。
麻奈は、本気で状況を理解していない様子で、不思議そうな顔で首をかしげる。
「え?快、何を言ってるの?」
「お前と、付き合うとか、そういう展開は絶対にないからな」
「本当に何を言ってるの、快?」麻奈は戸惑いを隠せない。
「っつうか、どっから入ってきたんだよ!」神城は、ようやく物理的な問題に気づいた。
「えー、快を前にたまたま見つけて、ついてきたら家がわかって、鍵が空いてたからそのまま入ったよー」
神城は、麻奈の襟元を容赦なく掴んで、そのまま無言で強引に外へ追い出し、扉を鍵までかけて閉め切った。
「2度とくるな、不法侵入者!」
麻奈は、扉の外で「開けてー」「快、ひどいよー」と、30分ぐらい叫び続けたが、やがて静かになった。
神城は、痺れを切らして、静かになったことを確認し、恐る恐る外に出た。すると、麻奈は神城の部屋の扉の前で体育座りをして、膝に顔を埋めていた。
「.......お前、何しにきたんだよ」神城は、もう怒る気力もなく、ため息混じりに声をかけた。
麻奈は、ゆっくりと顔を上げ、神城の目を真っ直ぐに見つめた。
「快はさあ……高校進学とともに、何も言わずに引っ越しちゃってさあ」
「あー、まあ色々あったからな。地元にはいづらくてな」
神城は、重い過去を思い出し、視線を逸らした。
「それは知ってるけどさあ。一言ぐらいあってもよかったんじゃないの?」麻奈の声には、寂しさと、わずかな非難が込められていた。
麻奈は、神城の家族トラブルや、父親の事件、名字の変更といった事情の全てを知っていた。麻奈は幼稚園から中学校まで、そして中学校の時の塾まで一緒だったのだ。
神城は、麻奈に対して特に恋愛感情も抱かず、ただの幼馴染としか思っていなかったが、麻奈は、神城によく絡みに行き、常にそのそばにいた。神城は、麻奈に対して特に恋愛感情も抱かず、ただの幼馴染としか思っていなかった。




